議会あいさつ(令和6年第2回)

令和6年第2回相馬市議会定例会開会(令和6年2月26日)

令和6年能登半島地震災害への支援と所感について

東日本大震災の初期対応とその後に続く復旧・復興事業に対し、能登地方からも多くのご支援を頂いた経緯を踏まえ、1月1日、能登半島地震発生当日の夜、泉谷満寿裕・珠洲市長、坂口茂・輪島市長、茶谷義隆・七尾市長、全国市長会の防災対策特別委員会委員長である大西一史・熊本市長と災害状況の確認や支援対応の連絡をとり、石川県市長会の会長である村山卓・金沢市長には、極めて緊急性が高い人工透析患者などの災害弱者の受け入れが可能か確認をいたしました。

地震や津波、病院の機能不全という緊急の問題がありましたが、災害対応は「次の死者を出さない」ことを大前提として行うものであるという私の信念のもと、東日本大震災の際、輪島市、能登町、さらに七尾市と珠洲市からご支援をいただいたことから、その恩返しの意識を持ち、これまでの経験から得た知識をアドバイスという形で伝えさせていただきました。

翌日の1月2日には、被災地の各首長から携帯トイレや乾電池式の石油ストーブなどの具体的な物資の支援要請があり、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームや国内大手の小売業者と連絡を取り合い、直接物資を届けていただくよう依頼させていただきました。

また、相馬市としては、同じく2日、能登町と輪島市に対し、給水車の支援を申し出ましたが、両市町とも水を汲む場所がなく、さらにはほかの市町村に取水にいくための道路が寸断されている状況であることから、状況が整うまで待ってほしい、との回答がありました。

それから3日後の1月5日、『新春のつどい』を行なっているときに、大森凡世・能登町長から給水車派遣の要請を受け、即座に、相馬市と相馬地方広域水道企業団との連携のもと支援することを決定いたしました。

支援先に負担をかけることがないよう、寝袋や食料などを用意し、自己完結で支援活動ができる体制を整え、去る1月7日、職員2人が給水車で能登町に出発いたしました。

輪島市においては、「引き続き取水場所が確保できない」とのことから、相馬市といたしましては、能登町の支援に専念いたしたところであります。

その後、能登町への支援は、大森・能登町長との協議のもと、1月27日までと決定し給水活動の支援は一区切りといたしております。

今回の甚大な地震災害により、改めて実感いたしたこととしましては、被災状況が深刻だった珠洲市のような場合には、自衛隊や日本医師会災害医療チームいわゆるJMAT、日本赤十字社といった組織と、それらを支える後方の医療施設、物流体制が極めて大きな役割を果たすことが、今回の地震でも明確になり、国や国土交通省地方整備局の支援が極めて大きな役割を果たし、大きな効果を上げたことであります。

また、これまで相馬市といたしましては、全国市長会を通じて地方整備局の人員の充実を常々国に対し要望しておりましたが、能登半島地震において、北陸地方整備局をはじめとする全国の地方整備局から派遣された職員は、2月21日現在、2万人を超えており、被災自治体の道路や港湾の復旧、給水活動など、災害対策支援に大変尽力しております。

そのような中、相馬市と珠洲市、相馬市と輪島市、相馬市と七尾市、相馬市と能登町のような、自治体同士の連携が極めて重要であるという思いも強くしたところであります。

また、遠く離れた相馬市だけではなく、石川県市長会長である村山・金沢市長の指揮下のもと、石川県の各市からの支援も大変有効に機能しておりますし、総務省が管轄する対口支援も大きな役割を果たしております。

令和6年能登半島地震の教訓を生かすため、相馬市が持っている災害対策の知識と設備などを改めて点検し、県内の市町村だけではなく、県外の近隣市町村とも連携を深めつつ、東北地方整備局をはじめとした国との連携を強化することが必要だと再認識いたしたところであります。

例えば、本市は2台の排水ポンプ車を配備しておりますが、災害時において2台でも足りない場合には、東北地方整備局から支援を受けられるようになっているため、常に連携を密にしておく必要があると考えており、また自衛隊福島地方協力本部との関係も見直しながら深めていくことも重要だと考えております。

災害時に緊急を要するような医療支援については、厚生労働省をはじめとする関係機関との連携も重要であり、中長期にわたる災害に備える観点から、県の支援も極めて重要だと考えております。

これらを改めて検証し、再考しながら常時備えることが重要だと考えております。

深刻な大災害の際は、国、県および友好自治体からの支援なくしては、市民を守ることは到底不可能との思いを災害の度に強く認識してまいりましたが、これらの経験を踏まえ、今後も国をはじめとする各自治体および関連団体との連携を深め、何時、どのような災害に遭遇するかも知れないという危機感を持ちながら、困難に決して負けずに市民を守るという気概を持って日常の行政事務に臨むことが肝要と考えております。

ふるさと納税返礼品の拡充について

市は、これまで、ふるさと納税として寄せられたご寄付に対し、ささやかながらのお気持ちとして、「そうま復興米」や「相馬藩主献上相馬精米」を返礼品としてお送りしておりましたが、昨年8月にALPS処理水の海洋放出が開始されて以降、ふるさと納税を通じて相馬市を応援したい、特に漁業従事者を応援したいとの声を多数頂戴いたしました。

そのようなありがたいお気持ちにお応えする返礼品の選定と、提供体制を検討してまいりましたところ、去る2月16日、新たなふるさと納税の返礼品として、「水産物詰合せセット定期便」を、大手ポータルサイト「さとふる」を通じて、開始いたしたところであります。

今後も、より多くの方に継続的に応援をいただけるよう、返礼品およびポータルサイトの充実を図ってまいります。

相馬復興市民市場「浜の駅松川浦」の増築について

令和2年10月にグランドオープンした「浜の駅松川浦」は、東日本大震災からの復興のシンボルとして、地元の農水産物などを取り扱う物販や海産物をふんだんに取り入れたお食事処を中心に、市内外から多くの方々にご利用いただいております。

市は、好評を得ている現状に慢心することなく、施設の利便性やお客さまの満足度の向上、さらにはALPS処理水の海洋放出により懸念される風評の払拭(ふっしょく)のため、施設の機能強化と増築を決定いたしました。

主な内容といたしましては、地場産品の調理室とイートインコーナーの設置や大型デジタルサイネージの設置、トイレの増設などを予定しており、相馬産水産物に親しみを感じ、より多くの方々に食していただけるよう、さらなる観光交流の増加を図ってまいりたいと考えております。

放射能対策について

市は、令和5年度個人積算線量計Dーシャトルによる外部被ばく線量測定を、全市民を対象に募集し、163人からの申し込みがありました。

2月21日現在、153人の測定が完了し、結果は、全員が年間追加被ばく線量0.368ミリシーベルト以下であり、外部被ばく線量測定の結果は平成27年度以降、長期的目標値である年間1.0ミリシーベルト以下を継続して保っております。

この測定結果から、市内での生活において、健康に影響を及ぼすことはあり得ないと断言できるものと考えております。

「海外における相馬産水産物などの風評払拭事業」について

ALPS処理水の海洋放出により懸念される風評の払拭(ふっしょく)や相馬産水産物の認知度の向上などを目的に、去る1月19日から同21日までの3日間、日本産水産物の輸出上位国である、タイ・バンコク市内のトンロー日本市場において、「相馬フェア」を開催いたしました。

フェア期間中は、アイナメ、タコ、カレイなどの鮮魚や、ヒラメなどの加工品の販売を行うとともに、ツブ貝やアオサの味噌汁をはじめ、市内旅館の料理メニューである刺身や煮付け、ホッキのバター焼きを「試食」として無料で振る舞い、相馬産水産物の美味しさや安全性をPRし、あわせて本市の観光情報も発信いたしました。

今後も、海外における相馬産水産物のPRと、風評の払拭(ふっしょく)に努めてまいります。

相馬市高齢者福祉計画および介護保険事業計画について

市は、令和6年度からの3カ年を計画期間とする、『みんなでつくるいつまでも健やかに暮らせるまち相馬市』を基本理念とした、「第9期相馬市高齢者福祉計画及び第9期相馬市介護保険事業計画」を去る2月22日、策定いたしました。

同計画に基づき、認知症への対応を含め、安心して暮らすことができる地域づくりを行い、介護サービスの充実を図るほか、介護予防や元気な高齢者などによる共助の活動による支援などを行ってまいります。

相馬市障がい者計画、障がい福祉計画および障がい児福祉計画について

市は、令和8年度を目標年度とする「第7次相馬市障がい者計画、第7期相馬市障がい福祉計画、第3期相馬市障がい児福祉計画」を去る2月21日、策定いたしました。

同計画に基づき、誰もが安全に安心して暮らせる共生社会の実現を目指し、障がい者への理解の推進や地域移行、障がい児支援の充実などを行ってまいります。

相馬市国民健康保険データヘルス計画および特定健康診査等実施計画について

市は、これまで相馬市保健事業実施計画に基づき、「糖尿病などの生活習慣病の発症及び重症化への予防」を優先事項とし、特定健康診査や特定保健指導などの保健事業を実施してまいりました。

令和6年度からは、新たに6カ年を計画期間として策定した「相馬市国民健康保険第3期データヘルス計画及び第4期特定健康診査等実施計画」に基づき、「健康寿命の延伸」とさらなる「医療費の適正化」を目指し、引き続き保健事業を実施してまいります。

この記事に関するお問い合わせ先
秘書課 秘書係

〒976-8601
福島県相馬市中村字北町63-3 市役所庁舎3階
電話番号:0244-37-2115
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更新日:2024年02月26日