メールマガジンNo.299(2016年2月26日号)相馬市民の台湾への思い
2016年2月6日の台湾大地震の翌々日から、相馬市では市民に対して募金を呼びかけて、市役所をはじめ数カ所の公共施設に募金箱を置いた。
心ある市民からの募金が日々報告されている。
5年前の台湾からの支援が、如何に多くの市民を励ましてくれたことか。
我々は震災以来、お世話になった自治体に災害が起きるたびに、急性期には水・食料などの現物を、また災害の性格によっては義援金を、「義理がえし」のつもりでお届けしてきた。
したがって今回も、市民の篤志に訴えたのである。
なかには、チームで一戸一戸義援金集めを声掛けした人たちがいた。
被災者たちが作る、あの「東部再起の会」のメンバーたちだった。
「苦しいときに台湾にはお世話になった。台湾の惨状を伝えるテレビの映像を見て、いてもたっても居られなかった」
最初その話を聞いたとき私は、「みんな、家・土地を失い、貧しい生活をしているのに、台湾への義理がえしは市が責任を持ってするから無理はせんでくれ」。
そう思ったが、彼らは何人かのチームを作り、あのときお世話になった被災者たちが入居する災害公営住宅を廻ったのである。
私が感激したのは、義援金を出してくれた人たちのリストと金額を見たときだった。
生活に困っている中で、1000円とか2000円とか小額ながら、気持ちだからと言って寄附してくれた人が365人にも達していた。
見慣れた名前のなかには、家族を失った老人たち、職を失った私の同級生もいた。
総額65万円余に上る台湾への義援金には、多くの被災者たちの感謝の気持ちが籠められていた。
その他に、NPOの「松川浦ふれあいサポート」や「相馬生活文化応援隊」をはじめ、被災地に隣接する北原釜町内会などの方々からも独自の義援金が届いた。
市の募金箱は継続中だが、総額で既に百万円を超えているらしい。
あのときの台湾からの支援は、避難所で直接被災者に現金などの現物を配ったもの、また台湾赤十字からの復興住宅整備の地元負担ぶんの市への寄附、長屋の高齢入居者のためにテーブル椅子などの什器を提供してくれたもの、などなど多岐にわたった。
私もプライベートにではあったが、2012年の5月の連休に台湾立法院(台湾の国会に当たる)を訪問し日華議員懇談会の台湾側の会長である李鴻鈞立法委員をはじめ関係者にお会いして御礼を申し上げた。
台湾赤十字にも出向いて謝意を表した。
もう直ぐまる5年を迎える今月、東部再起の会が集めた356人の義援金には、高台で新しい生活を始める被災者たちの底力のようなものを感じている。
昔から浜は団結力が強く、まとまりの良い地域だった。
震災の混乱の中でもじっと耐えながら高台移転を成し遂げた根底には、先祖から受け継いできた強烈な、わが故郷への愛着がある。
彼らの「何とか自分たちの感謝の気持ちを台湾の人たちに直接伝えてくれ!」という強い気持ちを受けて、5年前に私と日華議員懇談会の間に立っていただいた江藤征四郎衆議院議員を再び頼り、3月9日に台北駐日経済文化代表処(実質的な台湾大使館)の沈斯淳代表にお会いして、「東部再起の会」をはじめとする相馬市民からの義援金を、1000円2000円の名簿とともに直接お渡しすることになった。
是非、台湾の方々に相馬市民の思いを伝えてもらいたいと思う。
そして台湾大地震の甚大な被害からの復興を、心から祈りたい。
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更新日:2019年08月08日