議会あいさつ(令和8年第1回)
令和8年第1回相馬市議会臨時会(令和8年2月5日)
先日の初登庁の際、多くの市民の皆さま、議員各位に温かく迎えていただいたあの光景を、私は一生忘れることはありません。今、改めて市長としてのその責任の重さを、身の引き締まる思いとともに、厳粛に受け止めております。私は、この愛する相馬のさらなる発展と何よりも市民の皆さまのお一人お一人の幸せのため、誠心誠意、全身全霊を捧げて市政運営に邁進(まいしん)していく覚悟であります。
私たちの相馬は、鎌倉以来の歴史をこの地に刻み、一度の国替えもなく、幾多の困難を領主と領民が一体となって乗り越えてきた、全国でも稀有な絆を持つ共同体であります。この地で生き抜き、次世代へつないできた先人たちの「不撓不屈」の精神こそが、私たちの誇りであります。
私は、この伝統を市政運営の揺るぎない支柱に据えるとともに、その指針として、本市に180年を超えて受け継がれてきた「報徳仕法」の教えを大切にしてまいります。
真心をもって尽くす「至誠」
自らの役割に励む「勤労」
収支の枠を守り、計画的に生きる「分度」
そして、生み出された余力を社会や未来に譲る「推譲」
これは相馬市民憲章にもうたわれていることであります。
震災という未曾有の苦難を前に、私たちが互いに助け合い、折れずに立ち上がることができたのは、この報徳の教えが、私たちの血肉となっていたからに他なりません。
しかし、伝統を守るとは、過去の形式に固執することではありません。私は、市政の姿勢として「不易流行」を掲げます。
「報徳仕法」を提唱した二宮尊徳翁はこうも説かれました。
「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である」。
精神を尊ぶだけでは、街を維持し、発展させることはできません。AIやロボットなどのデジタル技術の導入や新しい発想などを柔軟に取り入れ、時代に適応していく「流行」の姿勢が必要です。それは、市外から新しい風を運んでくれる方々を温かく迎え入れ、共に未来を創る「開かれた市政」の姿でもあります。同時に、私はこの「ひらかれた」という意味を、市民お一人お一人にも感じていただきたいと考えております。市政や地域の現場を支え続けてこられたさまざまな方々、そして未来への光である若者たち、子どもたちなどの知恵や感性を、私たちは今こそ必要としています。性別や立場に縛られることなく、誰もがしなやかに自らの可能性を拓くことができる。そんな「誰もが参画できる、懐の深い相馬」こそが、人口減少という荒波を乗り越える真の底力になると確信しております。
私が目指すのは、「誰もが安心し、誇りを持って、笑顔で暮らせる相馬市」です。これを、しっかりした土台と柱を持つ「家づくり」に例えて推進してまいります。
第1の柱は「ひとを大切にするまち」。
第2の柱は「安全・安心に暮らせるまち、魅力あふれるまち」。
第3の柱は「働きたい、働きやすいしごとがあるまち」。
第4の柱は「社会資本がしっかりしたまち」。以上、4本の柱です。
これらを支える土台は、「分度と推譲」の精神に基づいた、「安定した財政と確かな経営のまち」です。そして、これらの柱と土台を固く結びつけ、構造全体の強度を高める「筋交い」。それは、対話を通じた「つながり」であり、変化を恐れない「挑戦」であります。行政と議会、あるいは行政と市民が、「至誠」をもって語り合い、共に考え、未来を拓くために共に動く。この「対話」と「挑戦」という筋交いがあってこそ、いかなる時代の荒波にも揺るがない、強固な相馬市を築くことができるのです。
私は、この経営の視点を市政の最重要事項に位置付けます。地域の資源を活かし、本市の経済の活力を高めるとともに、規律ある財政運営によって生み出した余力を、将来への投資へとつないでいく。市民の大切な税金をお預かりする経営者としての責任を持ち、将来にわたり持続可能な行政運営を徹底してまいります。
この姿勢は、長年にわたり本市の発展に心血を注がれた前市長の多大なる功績に対し、深い敬意を表すものでもあります。私は、その大きな足跡によって築かれた確かな土台を引き継ぎ、市民の皆さまと共にさらなる歩みを進める覚悟であります。
私はこれまで、30年にわたり、地方自治の最前線でこの愛する相馬の歩みを見つめてまいりました。現場で市民の皆さまと共に流した汗、そして分かち合った痛みは、今、市長として舵取りを担う私の、揺るぎない原動力となっております。
「まちを想い、人と歩み、未来を拓く」
私は、この理念のもと、先人の教えを貴ぶ心と、変化を恐れず未来を拓く勇気を持ち、市民の皆さまと共に、相馬市の新しい歴史を築いてまいります。
議員各位におかれましては、相馬市の新しい歴史を築く「地方自治の両輪」として、今後の4年間、ご指導ご鞭撻、そして格別のご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
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更新日:2026年02月27日