障がいのある人もない人も 共に生きるまちを目指して

市は、令和5年1月に「手話言語及び障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例」を施行しました。

同条例は、言語としての手話への理解と、障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用を促進することで、障がいのある人もない人も、全ての市民が人格と個性を尊重し合いながら、共に生きるまちづくりを実現することを目的としています。

条例の内容や制定に関わった方や障がいの特性に応じたコミュニケーション支援に携わる方の思いを紹介します。

手話言語及び障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例

障がいの特性に応じたコミュニケーション手段とは

手話や要約筆記、筆談、点字、音訳、拡大文字、代読、代筆、平易な表現など、それぞれの障がいの特性に応じた意思の伝達手段

市の役割

  • 手話が言語であることへの理解を広め、障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用を進める
  • 事業を実施する時、障がい者がその特性に応じたコミュニケーション手段を利用できるよう必要な配慮を行う

市民の役割

  • 手話が言語であることを理解し、障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進のために、市が推進する施策に協力するよう努める

事業者の役割

  • 市が推進する施策に協力し、障がい者がその特性に応じたコミュニケーション手段を利用するために必要な配慮に努める

条例の詳細は下記のPDFをご覧ください。 

条例制定に関わった方の思い

同条例は、多くの方々の意見を反映させるため市地域自立支援協議会において検討を重ね、制定されています。

荒潤正さん

荒潤正さんの写真

協議の過程で、聴覚障がい者の方が「皆さんに日本語があるように、手話も言語であることを知ってほしい」と話されました。手話には独自の語彙(ごい)や文法があり、ろう者にとって手話は母語「第一言語」であり、耳が聞こえる人たちの音声言語と同じく、コミュニケーションの手段です。この手段がなければ情報格差が生じ、災害時を想像すれば情報の格差は、命さえ左右する可能性があります。

そして、情報格差をなくすためにはろう者にとっての手話だけでなく、視覚障がい者への点字、知的障がい者への分かりやすい表現など、その障がいの特性に応じたさまざまな手段や配慮を行うことが必要です。こうした情報へのアクセスやコミュニケーションの権利を保障するために、さまざまな手段や配慮を行うことは、障がいのある方の社会参加を促し、誰もが地域の一員として生活する共生社会の実現のために必要なことだと考えます。

霜山清孝さん

霜山清孝さんの写真

これまで長い間、ろうあ者の暮らしのなかで手話を使える場所が少なかった。また、聞こえる方との交流も少なかった。普段生活していても情報が足りず、災害の時などは、停電や断水などの情報が全く分からない。簡単な筆談でやりとりするが、実際にろうあ者の中には筆談ができない人も多い。地域との交流も少なく、皆さんとどうやってコミュニケーションをとったらいいか分からない。

条例の制定をきっかけに、市民の皆さんに手話を少しでも理解して欲しい。そして、まだまだ時間はかかるかもしれないが、手話が言語であるということを皆さんに分かっていただきたい。

荒賢一さん

荒賢一さん

この条例ができたことで、皆さんが改めて、障がい者を理解してみようと思うきっかけになると期待している。また、協議に関わったことで、自分以外の障がい者のことを知るきっかけにもなり、自分とは違う障がい者のことも考えるべきだと感じた。障がいのない人と共に暮らしていくための良いきっかけとなると思っている。

私は視覚に障がいがあり、白杖を持って歩いているが、「何かお手伝いしましょうか」と声をかけてもらえると嬉しい。コミュニケーション時は、相手の表情や状況が分からず、遠慮してしまうこともあり、言葉で教えてくれるとありがたい。

最近は、いろんな技術を駆使してできることは増えてきているが、自分を含めて、全ての人がそれに対応できるわけではないので、ITの力も借りつつ、人の力も借りていかないと難しいと感じている。

障がいの特性に応じたコミュニケーション支援に携わる方の思い

持舘潮さん(手話)

持舘潮さん

手話を始めたきっかけは、特別支援教育支援員として難聴クラスを担当したこと。初めは口話と筆談だったが、コロナのためにマスク生活になり、コミュニケーションがとりづらくなった。担当していた生徒は手話ができたので、自分も手話を覚えてコミュニケーションをとれたらと思い、本を買って独学で始めた。実際にやってみて、手話を使う方はとても表現が豊かで、耳が聞こえない、喋れないということを感じさせず、手話によるコミュニケーションの奥深さを感じた。

まだまだ手話奉仕員としては始めたばかりで、少しずつ勉強して、できることから役立てていけたらと思う。

また、学校でも手話講習会が増えたり、そのお手伝いができたら嬉しい。「ありがとう」など、簡単なあいさつはみんなが覚えてくれたら嬉しいです。

門馬君江さん(点訳)

門馬君江さんの写真

全盲の家族がおり、幼いころ点字で手紙を打つ姿などを見ていて、ずっと気になっていた。私の仕事も一段落したことから今回、点訳奉仕員養成講座に挑戦した。簡単に考えていたが、点訳にはいろいろな決まりごとがあって、とても難しい。講習会を経て、サークルに加わりパソコンでの点訳を始めたばかりで、頭で考えながら打っている。今は渡されたものを点訳している程度で本の点訳に取り組むのはまだまだ先のことだが、できる範囲で点訳のボランティアに参加していきたい。

伊東たまよさん(音訳)

伊東たまよさんの写真

元々、主任児童委員として地域の子どもたちへの読み聞かせをしていたことが参加のきっかけで、月1回程度行われる音訳ボランティアに、楽しく参加しています。コロナの影響で、ほかのボランティアと情報交換する機会が少なくなりましたが、利用者から感謝の言葉が寄せられると、とてもうれしく、やりがいを感じます。

音声による情報を必要とする方の利用や、一緒に音訳してくれる仲間がもっと増えるといいですね。

障がい理解のためのパンフレット

市は、障がいがある方の困りごとや必要な配慮などを分かりやすくまとめたパンフレットを作成しています。

詳細は下記のページを確認ください。

この記事に関するお問い合わせ先

社会福祉課 障がい福祉係


〒976-8601
福島県相馬市中村字北町63-3 市役所庁舎1階
電話番号:0244-37-2109

あなたの評価でページをより良くします!
このページの内容は分かりやすかったですか
このページは見つけやすかったですか

更新日:2023年03月29日