平成21年度実施予定新規事業の事前評価(1)

 

事業の概要

サッカー場整備事業(仮称) PDF形式34KB

パークゴルフ場増設整備事業(仮称) PDF形式34KB

水源の里事業(仮称) PDF形式29KB

事前評価結果報告会

平成21年7月6日・市長室

委員長:

初めに、サッカー場整備事業についての評価結果を申し上げます。夜間照明の未設置は残念に思いますが、設置すれば費用の問題があること。また、設置するにも土地利用の制限上、大型設備は造れないなど、施設の整備計画や完成後の維持管理費等に多少の懸念があるものの、総合的な評価として、サッカー場を石炭灰埋立地に造ることは土地の利活用の観点からも非常に良い企画と思います。注意事項としては、水はけが非常に悪い場所なので、暗渠工事をしっかりやっていただきたい。よって、事業計画は概ね妥当と評価します。

次に、パークゴルフ場整備事業についても、とても良い事業だと思います。
意見としましては、国の交付金を財源として、この機会に整備するのであれば、東北一という意見もありますが、この際、全国一を目指すような手法で整備していただきたい。また、コース設計にあたっては、既存のコースとは変化をつけるなど、難易度を高めたものを希望します。評価としては、事業計画を概ね妥当とします。

次に、水環境保全事業については、事業名とペットボトルの配付に関し、関連性が唐突に感じるので、市民が自然になじめるような事業名が望ましいとの意見が出ております。また、事業内容としては「全国水源の里連絡協議会」への加入や、小・中学生、一般も含めた「ペットボトル水」の名称を募集するラベルコンテスト等のような企画により、市民へPRすることが大切ではないかと考えます。加えて、日常の飲料水の水質保全や宇多川や松川浦の環境保全をアピールできるような事業内容に整理する必要があると考えました。よって、一部修正の必要を指摘し概ね妥当と評価します。

市長:

それでは、ディスカッションを行いたいと思います。

初めにサッカー場整備事業ついては、事業そのものは妥当との評価結果をいただきました。ただ、水はけの問題、暗渠の問題等々について今後に課題があるだろうというご指摘です。これは、今後の検討課題ということで考えさせて頂きたいと思います。と申しますのは、財源の関係から完全なものはとてもできません。今年度については、2億3千500万円の交付金(地域活性化・経済危機対策臨時交付金)を財源として3つの事業を実施するわけですが、サッカー場については、現状のままできるだけ活用して少ない予算で実施したい。ですので、暗渠をサッカーコート4面全てに配備するというのは、難しいと考えています。ただし、一面については暗渠を設置する計画です。雨が降ってもサッカーができるコート、競技ができるコートを1面整備します。それで、約7千万円の費用がかかります。

もう一つの工夫として、川崎残土を使用することを考えています。川崎残土が現在の場所にあると企業誘致のチャンスがあっても企業に売れないのが現状です。ですから、川崎残土を利用しようと考えています。将来の企業誘致を考えた場合、現在の川崎残土の場所の隣に10haの中小企業基盤整備機構の売却可能な土地があります。合わせると15haになります。これは将来ともにその可能性として取っておきたいと思っております。以上の理由から川崎残土の土を持ってきて、サッカー場の土手を作りたいと考えています。そのことによって、川崎残土の処分ができるということと、サッカー場の土手のための土を購入する必要がないという2つのメリットができます。また、川崎残土を処分したいという意図がありますが、残土の量があまりにも多すぎるので土手の整備だけでは処分できないことも量的計算のうえで分かっております。川崎残土を使用し経費を節減することを前提にしたうえで、次の問題は財源となります。

また、サッカー場内の移動道路の整備、集客時の駐車場も必要になります。これは別の財源である国土交通省の地域活力基盤創造交付金(55%補助)を利用する計画で国と折衝中です。ですから、今回の地域活性化・経済危機対策臨時交付金2億3千5百万円の内の7千万円を使うという事業の中で、どこまでできるかというのが勝負となります。最大限できることは、サッカー場の一面は暗渠をつけた芝のコートを整備する。その他の部分については、今後のサッカー場を使っている中でいろんな要望が出てくるであろうと思いますが、その要望の内の一つとして、決定的なことがあります。石炭灰処分場は、現在、沈下中です。この沈下が進んだ場合、沈下を補正するための土の搬入、芝の吹きつけとなると相当な経費がかかってきます。ただその地盤沈下が落ち着くのを待っていたら、サッカー場として使うことは、だいぶ先になってしまいます。ですから、今ある条件、現況の中でどこまでできるかということで計画しています。

財源的な問題も含め、相当苦しいところがありますが、このような条件のもとで計画を立てました。したがって、外部評価委員の皆様からのご意見につきましては、今後の課題として歩きながら考えたいと思っております。本日いただいたご意見を踏まえて、企画政策部としてまとめる際に、今後の課題として財源的な調整を行いながら、使用するなかで出てくる要望や不都合に出来る範囲で応え、修正を加えながら歩き出したいと思います。

次に、パークゴルフ場の整備については、ほとんど問題はないということで考えてよろしいかと思います。当初は、トリッキーな難易度の非常に高いコースを考えました。しかし、難易度の高いコースは、公認コースを取得することが難しいのです。ですから公認コースが取れるという条件の中でのコース設計になります。光陽パークゴルフ場は公認コースが6コースつながっており、松川浦を合わせると9コースになります。一箇所に公認コースが9コースあるというアピール度と6コースというアピール度では、観光資源として考えた場合に違いが出てきます。東北一、日本一だということを標榜するにあたっては、公認コースであることが重要です。

したがって、公認コースの認可が取得できる範囲の中で、できるだけコースに難しさをつけるように、また、利用者の方々が飽きないように工夫をするよう心がけたいと思います。公認コースをはずすことはマイナス面のほうが大きいと思いますので、その点をご理解いただいた上で、コースづくりに反映させていきたいと思います。

続いて、水の事業ですが、水環境保全事業というネーミングが良くないといったご指摘を受けたことから、事業名は変更したいと思います。この事業の目的はいくつかあります。一つは、名水をアピールするような事業は、今、かなりポピュラーに行われており、福島や喜多方においても展開されています。そういう事業に対し、当初私は、適切な事業とは考えておりませんでした。自己満足の事業であると考えていました。

しかしながら、市長の気持ちとすれば、宇多川水系・阿武隈水系の水が、汚染されていないということを市民みんなが自覚して、これを大事にしていこうという気持ちを持つ必要があるのではないかと今、強く思っております。その大きな理由は、宇多川上流に少なくても2つの産業廃棄物処分場の建設計画があるからです。一つは山上字菖蒲形、もう1つは丸森町筆甫です。筆甫の産廃処分場の水は、松ヶ房に流入し、そこから宇多川に入ります。この計画に対する戦いをどうしてもしなければなりません。産廃処分業者はいろんな手法で計画を進めようとしています。詳しく言えばきりがないのですが、私も弁護士名でお手紙をいただくなど、産廃処分業者と闘っております。

そういう中で、私が市長をやっているうちは負けるつもりはありませんが、市長というのは駅伝のランナーみたいなもので、次のランナー(市長)にいずれバトンを渡します。そのランナー(市長)もちゃんと走ってもらわないといけないのですが、一番大事なのは市民の自覚です。「美しい相馬の環境を破壊されてたまるか」といった考えを市民が持つことです。

もしも宇多川上流に産廃処分場ができたとしたら、仮にそれが適切に管理されているものであっても、産廃業者は全部埋め終わったら、施設の利用価値がなくなるので、施設を放棄して所在不明になってしまう恐れが大きいのです。そうしたことを分かっていながら建設を許す訳にはいきません。相馬の水が汚染され、使用できなくなるといったリスクは非常に高いのです。飲用水として、また、農業において、かなりのイメージダウンになることは間違いありません。

だからこそ、何としても将来ともに反対していかなければならないし、そういった意味では相馬の水がまだ汚染されていないということをアピールするひとつのチャンスと思いながら、この事業を考えました。それが一番の目的です。ですから、水環境保全事業という名称があまりにもリアルすぎるため、実際の事業と合わないところが出てきました。

もう一つは、市議会議員の皆さんと話している中で出てきたのですが、相馬にそんなに良い水があるのなら、相馬の名物として、お歳暮やお中元に使いたいという話がありました。本心としては、市民に対し「相馬には良い水がある。環境がいい」といった意識をもってほしいのです。ですから、そういうことを考えて、防災用の水として一軒一軒に配ろうということを考えました。なかなか市の一般財源では実現できない事業です。最初は、湧水等を18リッター100円とし、手数料のみを頂くかたちで松川浦の環境公園(仮称)での販売を考えました。しかし、保健所の許認可が得られないなど、商品化するには、責任の所在等を含め非常に難しい問題がありました。

このように、いくつかの課題がありますが、それぞれのご意見を踏まえて、今後、実際の政策実行の段階で生かして行きたいと考えております。次の段階として、市の重要事項決定機関である庁議に提案したいと思います。

それでは、委員の皆様から質問があればお願いします。

委員:

水源問題で一番影響を受けるのが飲用水の問題です。トータルなイメージとしては、松川浦の水質等の影響があります。しかし、松川浦の人たちから、声(水源問題)が出てきていません。松川浦の漁業権をお持ちの方や、沿岸漁業で漁業権をお持ちの方から、声が出ないというのは不思議でなりません。水源地に問題が起こったら、松川浦が受けるダメージはすごく大きいのです。

市長:

産業廃棄物処分場建設反対運動に関し、松川浦の人たちの声が大きくないのは事実だと思います。それから、水の製作については、現在は説明する以前の段階なので市民の皆さんには説明しておりません。新規事業の実施に向けた手順としては、市役所内の内部評価(関係課長会議・経営戦略会議)を終え、本日、外部評価いただきました。次の段階として市議会全員協議会を開いて議員の皆さんに説明を行います。次に、区長会の皆さんに説明いたします。その後、松川浦の人たちに「こういう方針で事業を実施します。」という事を伝えます。ですので、松川浦の人たちから政策として挙がってくるような性格のものではないと考えています。

最初に申し上げましたが、私は、産業廃棄物処分場の建設反対について、現在まで必死に取組んでまいりました。しかし、漁業者の方や農業者の方からの声が出てきておりません。当初、産業廃棄物処分場建設計画に対し、市としての対応をどうするかということを決める際に、区長さんたちの協力をもらって市民アンケートを取りました。そのアンケート結果では実に93%の市民の方が産廃処分場建設の反対を表明しました。しかし、7%の市民は、特に問題ないという意見でした。産廃処分場建設計画の反対運動は市長だけが頑張っても市民の後押しが無ければ実現は難しいのです。そういう意味で、行政に対する市民の関心のなさを実感しています。市民自らの問題なのです。自分の将来の問題。あるいは自分の孫子の問題なのです。

委員:

私が思うには、市民の市長に対する期待が大きい。あるいは、行政に対する期待が大きいと思うのです。行政への丸投げ民主主義になっていると感じます。自分は参加しないのです。委託してしまっているのです。ですから、市民に対しどのように啓蒙していくかがこれからの自治体の課題だと思います。

市長:

私が期待されているかどうか別ですが、委員のご意見に賛同します。今、市として自治基本条例を作ろうと考えております。市民に対する啓蒙と情報発信など、市民の行政参加ということを前提に自治基本条例をつくろうと考えております。

当市のように外部評価委員会を設置している自治体は多くはありません。自治基本条例を制定し外部評価委員の皆さんとの、このような議論や写真をホームページにアップしていきたいと考えています。そのような取組みによって、市民を啓蒙していきたいと考えています。外部評価委員の皆さんには、本市の自治基本条例の議論について、ぜひ加わっていただきたいと思います。

委員:

会津若松市の自治基本条例(会津若松市議会基本条例)は、行政に関する有識者や大学教授等が関わって制定されたものなので、評価が非常に高く参考になると思います。

市長:

自治基本条例を制定している自治体は、判で押したように「市民の行政参加」を明記しています。しかし、市民との合意形成や政策形成の過程における市民の声を反映させる手法をどのように織り込むかが大切であると私は考えます。そのうえで「自治は自らの力で行う。自分たちの地方・地域は自分たちで創る」というのが、自治基本条例のエッセンスであると考えます。本日、午前中に、自治基本条例の会議を開催しましたが、一番重要なのは、ディスカッションするということだと思います。

委員:

行政側からすると、そこまではやりたくないという事が1つ2つあると思うのですが、それをあえて踏み込むことは重要であると考えます。特に立谷市長を中心とする相馬市というのは注目されている自治体だと思います。相馬市は前を歩いている。そういう今かっこいい自治体であるので、旬の部分をいつまでも持っていていただきたい。市民の1人として誇りを感じます。

市長:

私一人で自治基本条例を作るとすれば、一週間で完成します。しかし、それではいけないのです。ディスカッションの上に作らなければ制定する意味がないのです。私なりの解釈ですが、自治基本条例は、地方分権の「地方都市宣言書」なのです。

我々は地方政府の宣言をします。地方分権というのは、「自分たちの地域は自分たちの力で創ります」「自分たちの計画のもとに創ります」そのために「みんなで汗をかいていきます。市長だけではなく、市民みんなで汗をかいていきます。」そういう体制をいうはずです。ですから、地方分権の担い手というのは、市町村です。これは地方分権改革推進委員会の中にも出ておりますが、我々市町村、基礎自治体が地方政府にならなくちゃいけない。地方政府として自由に判断して、自由に自分たちの地域社会をつくっていくときに、財源が問題になるからその財源について自由に使えるような体制をつくっていただきたいというのが地方分権の財源論です。ですから財源論っていうのは、本当は2番目の問題です。

自分が住む地域をつくっていく上で、市民の意見をどうやって取り入れていくか、市民とどうやって合意形成を図るのか、あるいは行政担当者は政策をどうやって市民に訴えていくのか。その訴えた政策を自らが与えられた条件の中で、自分たちの知恵でどこまで実現できるかというのが地方分権なのです。地方分権には責任を伴います。当然財政の責任も伴います。こうしたことから、地方分権をやる中で、私は、「持続可能な地域社会をつくらなければならない」といつも発言するのです。

相馬市が20年後も30年後も持続可能な地域社会であるためには何をしなければいけないのか、地方政府としてしっかりしなきゃいけないという問題。当然、そこの中には、若者が住めない相馬市ではだめですから、人口動態の適正化という問題も入ってきます。30年後の相馬市がしっかりしているために企業誘致を進めるのです。道路整備が必要なのです。こうした視点の中で、今の相馬市にとって必要なテーマを市民と共有しなければいけない。この作業を来年にかけてやろうかと考えています。そこに自治基本条例を作る意味があるのだと思うのです。

他の自治体で制定しているかなりの数の自治基本条例に目を通しましましたが、これといった特徴はありません。当市の自治基本条例にも当然のことを明記することになると思いますが、あえて市民とのディスカッションを重ねた上で制定したいと考えています。特に外部評価委員の皆さん、区長会の皆さんとディスカッションをしたいと思います。

 


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