議会あいさつ

平成29年第1回相馬市議会定例会開会

2017-2-27

本日、平成29年第1回相馬市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位には全員のご出席をいただきましたことにお礼を申し上げます。 はじめに、諸議案の提出に先立ち、今後の市政と平成29年度の主な取り組みなどについてご説明いたします。

東日本大震災から6年目となった昨年、国は平成28年度からの5年間を「復興・創生期間」と位置づけ、復興の加速化そして被災地の自立と将来設計を求め、地方創生のモデルを目指すよう復興事業と財源フレームの見直しを行いました。
一方、本市の復興は、被災者の恒久住宅への移住が進み、原釜荷捌き施設等の水産業共同利用施設の完成、市役所新庁舎の落成、JR常磐線の再開通など、市民を挙げて復興に邁進してきた成果が目に見える形で現れてきた年でもありました。しかし、放射能との戦いや根強く残る風評への対応、被災者の生活支援など、気を抜くことの出来ない課題が引き続き残されています。

これまでの復興の歩みは、相馬市復興計画の基本理念「高齢者、子供、青壮年層がそれぞれの人生のステージで生活再建をどのように果たしていくか」、そして相馬市地方創生総合戦略の基本理念「相馬市が相馬市であり続けるために、魅力あふれる相馬市づくりを目指す」のもと、市民一人ひとりの生活や生業、成長やいきがいに焦点を当てたソフト事業と、その目的達成に必要なハード事業を進めてまいりました。

復興・創生期間の2年目を迎える平成29年度は、相馬市総合計画「相馬市マスタープラン2017」がスタートする年度になります。平成38年度までの10年間を計画期間とするもので、目標とする本市の将来像を「たくましく。地域、暮らしをともに創り、誇りをもてる相馬市へ」と定め、5つの基本理念と8つの主要テーマに基づく各種目標、主な施策などを取りまとめたところであります。
これらのことから、予算編成にあたっては、地方創生の推進を重点施策として予算化するとともに復興、地方創生、マスタープラン2017の各計画が相乗効果を上げていけるよう優先的に予算配分を行いました。
その結果、平成29年度一般会計当初予算は、歳入については、市税で新築建物、給与所得の増により若干の増加を見込むものの、国の地方財政計画に伴う地方交付税の減額が見込まれ、一方、歳出については、市役所新庁舎や水産物加工施設などの復興施設建設工事、除染の終了に伴う事業費の減少により、一般会計予算の総額は、196億700万円となりました。
以下、新年度の主な事業や取り組みについてマスタープラン2017の8つの主要テーマの区分に沿ってご説明申し上げます。

はじめに、「市民協働による健全な基礎自治体づくり」について申し上げます。

市民の皆さまが誇りをもてる魅力ある地域であるためには、一人ひとりが主体的、積極的にまちづくりに関わっていただくことが必要不可欠であります。そのためにも、市はこれまで以上に多様な媒体を通じて市政情報を積極的に発信し市政に対する理解を深めていただきながら、市民活動団体やNPOとの連携を進めてまいります。

特に、地域コミュニティの基礎となる行政区につきましては、震災で世帯数が著しく減少した行政区があること、行政区に準じる災害市営住宅特別区制度が平成28年度で終了することなどから、行政区の再編について各地区の行政区長会や災害市営住宅特別区組長等への説明と意見聴取を行い議論を重ねてまいりました。その結果、磯部地区の芹谷地・大洲の2行政区を廃止、中村東部一区と二区を合併して一つの行政区に、災害市営住宅7団地のうち2団地を既存行政区に編入し、その他の5団地をそれぞれ一つの行政区として新設し、市内76行政区に再編いたします。

地域コミュニティが維持されていることは、本市のかけがえのない社会基盤であり、震災からの復興はもとより、今後の地域づくりにも大きな力になるものと考えております。社会環境の変化から、地域での子育て力や高齢者を見守る力の低下が懸念されていますが、地域世代間交流施設である「子ども公民館」を活用し地域の子供やお年寄りが集い、世代間交流が育まれるよう取り組んでまいります。なお、黒木地区に整備を進めている西部子ども公民館は、本年4月からの運営開始を目指し準備を進めております。

健全な財政運営は自治体経営の基本であります。今回策定した総合計画期間である平成38年度までの10年間は、財政調整基金の残高が35億円を下回らないことを目標に財政運営に取り組んでまいります。本市の市政運営のいわば基本形であるISO9001に適合した行政経営システムに則り、職員一人ひとりが事務事業の目的意識を明確にもち、組織として適切な成果をあげる業務執行体制のレベルアップを目指してまいります。

市外部評価委員の皆さまにご尽力をいただき、平成28年度は全57事業のうち「さらに推進することが妥当」とするA評価が52事業、「現状のまま継続することが妥当」とするB評価が5事業と、これまでの復興関連事業に対し市民目線の客観的評価をいただいたところであります。また、委員会から、総評として、
一.相馬独自の伝統文化の継承を含めた、教育都市を目指して事業を展開していただきたい
一.東日本大震災被害のハード面の復旧・復興は一段落したので、各施設の運営、ソフト面の充実をお願いしたい
一.原子力災害による風評被害の払しょくを図り、相馬市の市勢伸展のため、あらゆる資源を動員して事業の推進をお願いする
とのご意見をいただきました。市は、評価結果やこの提言を最大限尊重し今後の事務事業の改革・改善に努めるとともに、震災復興や地方創生、そしてマスタープラン2017の実現に向け取り組んでまいります。

続いて、「震災から復興した新たな相馬づくり」について申し上げます。  

これまでの復旧・復興事業では、住宅の高台移転や避難道路、防災行政無線の整備、県事業による防潮堤の整備など、主にハード面において災害に強い安全で安心な地域づくりを進めてきました。
東日本大震災のちょうど400年前の1611年に起こった大地震では、相馬中村藩領内で約700人が津波の犠牲になったとの記録があり、その5年後の1616年にも再び大地震が起こったとの記述が文献に残されています。
地震や津波に限らず、自然災害はいつどんな形で私たちに襲ってくるか、予測することは困難です。震災で得た教訓を忘れることのないよう、記録を残し後世に伝えてゆくとともに、行政も市民も常に危機意識を持ちながら、安全で安心な地域づくりを目指さなければならないものと思っております。

昨年11月22日に発生した震度5弱の地震の際、津波警報の発令を防災行政無線で周知しましたが、市民等から放送が聞き取りづらい、分かりづらい等の意見が寄せられました。このため、市は津波注意報・津波警報が発令された場合の運用を見直し、
一.津波予想高に応じて、使用するスピーカーの区域と広報内容を替える
一.広報内容を、避難広報と注意広報に区分する
一.広報頻度を、津波到達予想時刻に応じて調節する ことといたしました。
また、震災経験を踏まえた地域防災計画の策定やハザードマップの作成、防災訓練や災害図上訓練、あるいは各家庭に配付する「相馬市版防災ノート」の発行について内容を含め検討するなど、「次の災害に備える」ソフト面の取り組みを順次進めてまいります。

恒久住宅へ移住した後の被災者の生活再建の基盤づくりも着実なものとしていく必要があります。災害市営住宅に入居した方々の家賃については、現行の法制度では、年金暮らしなど収入の低い方は住宅の管理開始から5年間は家賃が低く抑えられているものの、その後段階的に引き上げられることになっております。他方、一定以上の収入がある方は、退去を促すよう家賃が上昇することになっております。先月31日、災害市営住宅団地の各組長から、家賃減免についての要望書が提出されました。震災からの生活再建は5年間で成し遂げられるものではないこと、また震災で住宅を失った入居者に退去を促すことは適切ではないことから、市独自に、家賃の減免措置を講じてまいります。
なお、仮設住宅の解体の進捗については、相馬市管理分1000戸のうち339戸の解体が完了しており、本年度末までには合計828戸の解体が完了する見込となっております。残る33世帯の方々の生活再建と仮設住宅からの移行がスムーズに行われるよう、引き続き支援してまいります。

続いて、「安心な子育て環境の整備と心豊かなひとづくり」について申し上げます。

地域の未来は、子どもたちです。子どもたちが元気一杯、笑顔でいられるまち。安心して子育てができる環境。子どもたちが将来に向かって心豊かに力強く成長していける。そのような人づくり、環境整備を進めてまいります。
地域子育て支援施設に生まれかわった相馬愛育園は、平成27年4月の開設から間もなく丸2年となります。幼児の一時預かり事業、小学生の放課後児童クラブ、親子教室、自由来館による遊び場として子どもたちがのびのびとふれあえる場となっているほか、育児相談等子育て中の親子が気軽につどい、相互交流や子育ての不安、悩みを相談できる場として、多くの子どもたち、市民にご利用いただいています。今後とも、参画いただいている市民団体と連携しながら子育てをサポートする環境を整えてまいります。

学校教育においては、確かな学力と豊かな心を持つ子どもへの成長、開かれた学校づくりなど、次代を担うひとづくりを目指してまいります。
子どもたちに望ましい職業観や勤労観等を身につけさせ、自らが主体的に進路を選択する能力や態度を育てるため、引き続きキャリア教育に取り組みます。また、国際理解や英語への興味・関心を高めるため小学校1年生からの英語教育についても継続して取組みます。
情報通信教育・教育の情報化の推進については、これまで中村第二中学校と磯部中学校にタブレット型端末を配置し生徒たちの調べ学習やドリル学習等に活用してきましたが、平成29年度から3ヵ年計画で全小中学校にも同様に配置してまいります。
防災教育については、震災以後、各学校では学区内を調べ防災マップを作成したり災害について調べたり、災害が発生した際にどのような行動をとればよいか考えたりする活動を通じて、子どもたちが自ら判断し、命を守る行動がとれるよう努めてきました。平成29年度からは防災教育専門員を置き、地域との連携や児童・生徒の防災意識の更なる向上を目指し取り組みの充実を図ってまいります。
先月末、中村第一小学校の器楽部がTBSこども音楽コンクール全国大会の小学校合奏第一部門において文部科学大臣賞を受賞し、見事日本一に輝きました。3年生から6年生の25名で構成された、バイオリンやビオラ、チェロ、コントラバスの弦楽器による美しい音色そして豊かな表現力が評価されたものです。この度の快挙は、子どもたちの地道な努力と先生の熱心なご指導、保護者の皆さんの温かい励ましによるものであります。このような経験の積み重ねが、生き抜く力や心豊かな成長につながってゆくものと思っております。なお、明日の夕方4時から、市役所一階で受賞報告演奏会が開催されますので、皆さま、子どもたちの素晴らしい演奏を是非お聞きくださいますようお願い申し上げます。

次に、子育て・教育環境の整備事業について、4点申し上げます。
1点目、中村第二中学校の校舎改築事業については、現校舎の解体工事が順調に進捗し、来る3月10日に新校舎建設工事の起工式を行い、平成30年度の完成を目指し工事を進めてまいります。
2点目、小中学校における夏場の学習環境の改善については、相馬市立学校PTA連絡協議会からエアコン設置の要望があり、また外部評価委員から中村二中校舎改築事業に関して、エアコンが設置できるような対応を盛り込むべきとの意見があったことを踏まえ、全小中学校の普通教室にエアコンを設置することといたします。平成29年度に全ての学校の設計業務を行い、平成30年度以降、順次整備していく計画であります。
3点目、先般、八幡小学校の保護者代表などから、放課後に安心して子育てができる環境を整備してほしいとの要望書が提出されました。八幡地区には放課後児童クラブが未設置であり、待機児童解消が喫緊の課題となっていたこと、また同地区には復興事業の公設土取場があり交通事情が悪化していることから、児童が移動する際の安全性を考慮し、八幡小学校の敷地内に放課後児童クラブを整備することといたしました。
4点目、現在建設中の新しい市民プールは、3月22日の竣工に向け最終工事を進めております。オープンは5月中旬を予定しており、具体的な利活用の方法の検討を進めております。

続いて、「地域特性を活かした良質な産業づくり」について申し上げます。  

東日本大震災で甚大な被害を受けた産業の再生は、6年経った今でも最大の課題であります。特に、原子力災害による放射能の風評は、私たちが相馬にいて感じている以上に根強いものがあります。市は、これを払拭するための情報発信やPR活動、地産地消の取り組みを継続していく必要があります。
一方で、生産者をはじめとする市民の方々の懸命な努力が着実に実を結び高い評価を得ていることは、既にご承知のとおりです。醤油醸造業の方、農園経営の若手農業者、米・食味分析鑑定コンクールの受賞米や相馬復興米、いちご、梨等の農業生産者、相馬牛肥育農家の方々。本格操業を見据え不撓不屈の精神で準備を進める漁業者たち。いずれも、私たち市民にとって誇りであると同時に、その姿勢に我々はしっかりと応えていかなければなりません。市内小売店経営者の皆さま、商工経済団体の皆さまとも、連携して取り組みを進めてまいります。

相馬市産米の放射性物質全量全袋検査については、28年産米約13万9,000袋を検査した結果、食品衛生法で定められた基準値1キログラム当たり100ベクレルを越えたものはありませんでした。この検査体制は平成29年度も継続して実施されることになっております。
また、将来にわたり優良な農地を保全し農業振興施策を計画的に実施するため、平成29年度に相馬市農業振興地域整備計画の改定に着手し、平成30年度末の策定に向け取り組んでまいります。

原発事故が原因でイノシシが爆発的に増加し、農作物の鳥獣被害が年々増加していることから、相馬方部有害鳥獣焼却場を整備し捕獲したイノシシ等の処分を実施しておりますが、一方で、鳥獣被害対策実施隊隊員の減少と高齢化が切実な問題となっています。このため、市は鳥獣被害対策実施隊隊員の育成を支援することとし、平成29年度から猟銃等所持許可の取得と猟銃購入に関する助成制度を新設し、訓練場所である初野射撃場の整備について検討してまいります。また農作物被害が著しい地区を対象に、試験的にワイヤーメッシュ柵を設置しその効果を検証してまいります。

林業の再生については、玉野地区の山林約60ヘクタールが、国から里山再生モデル事業のモデル地区として選定されました。平成29年度から3ヵ年計画で、椎茸原木栽培の復旧・再生と周辺の森林整備に取り組んでまいります。

漁業については、相馬双葉漁業協同組合が今春のコウナゴ漁から、魚市場での競り入札を再開する方針を決定するなど、漁港に震災前の活気が戻ってくることが期待されます。試験操業対象魚種も先月末にはイシガレイ、クロウシノシタ、クロソイの三魚種が追加決定され、現在97魚種まで拡大しております。

本格操業を見据え、高品質、獲れたての魚介類を手ごろな値段で提供し地産地消を進めるとともに、本市水産物の安全・安心について広く情報発信を行い風評の払拭を図るため、平成29年度に水産物及び相馬産品の直売施設の整備に着手いたします。市は、相馬双葉漁業協同組合と連携し、本市水産業の振興に努めてまいります。

また、風評払拭のためには、これまで同様、姉妹都市や友好都市などでの物産PRイベントが有効であると考えており、昨年12月26日に新たに大阪府泉佐野市との間で「特産品相互取扱協定」を締結いたしました。両市の各種イベントなどで特産品等の販売等を行い相互理解と交流を深めるとともに、特産品のブランド力の向上に努めてまいります。

松川浦の自然環境を活かした観光の復活には時間を要します。新たな観光の柱として、相馬野馬追等の歴史文化を活かした通年型観光やスポーツ観光の取り組みを促進し、交流人口の拡大を目指してまいります。
市は、平成29年度から観光客向けに「一日騎馬武者」を始めます。宇多郷騎馬会のご協力のもと、千客万来館で甲冑や陣羽織の着付けを行い、その後中村城跡で乗馬を体験するものです。年間を通じた体験型観光による誘客とともに、相馬野馬追の魅力を広めたいと考えております。
報徳仕法の史跡であり観光スポットの一つでもある愛宕山周辺には現在駐車場が無く、観光客にご不便をかけていることから、長谷堂市営住宅跡地に新たに大型バスも利用できる駐車場を整備し、利便性の向上を図ることといたします。

スポーツ観光の振興については、相馬スポーツツーリズム推進協議会や市観光協会等と連携しながら取り組んできましたが、十分な宿泊施設を確保することに苦慮しておりました。復興事業の進捗により、市内の宿泊施設にも余裕が生じつつあることから、大規模な大会や合宿等の誘致に積極的に取り組んでまいります。

低炭素社会の推進とイノベーションコースト構想を踏まえ取り組みを進めている「水素を活用したCO2フリーの循環型社会づくり」については、先駆的な水素研究施設の誘致等を推進するとともに、将来的には関連するビジネスの創出につなげてまいりたいと考えております。

続いて、「地域の文化を守り心豊かに生き抜くひとづくり」について申し上げます。

先人から受け継いできた地域文化を守り、後世に伝え残していくことは、現代を生きる私たちの使命でもあります。そしてまた生涯を通じて学び、健康で豊かな生活を送りながら、ご自身の得意とする分野でご活躍いただくことが、本市を支える大きな力になってゆくものと考えます。

私たち相馬市民の原風景の一つでもある史跡中村城跡は、保存管理計画に基づき、平成28年度は本丸石垣の樹木を伐採いたしました。平成29年度は震災によって崩落した石垣の修復に向けた調査測量を行ってまいります。 県指定重要有形民俗文化財である田代駒焼登窯の保存については、平成28年度に老朽化した上屋の解体と改築工事を実施しております。平成29年度は登窯の修復と外構等の整備を行い、平成30年度からの一般公開に向け準備を進めてまいります。

市民が生涯にわたり健康ではつらつと生活を送るためには、スポーツやレクリエーション活動に気軽に取組める環境づくりが必要です。
施設面の整備では、震災で使用不能となった川沼体育館の代替施設の再建について、相馬市体育協会から、スポーツアリーナそうまのサブ体育館としても活用可能となること、利用者のニーズにあった床面積を確保すること等の要望をいただき、その整備を検討してまいりました。今般、再建する位置を現在の市民プールの敷地と決定いたしました。今後、詳細について検討を重ねてまいります。
これまで市が整備した各種施設の利活用については、管理運営するNPO法人等が利用者目線で様々な工夫を凝らしながら、積極的に行っていただいております。市といたしましては、今後、さらに利用しやすい施設となるようNPO法人等と協議を重ねながら、施設の改修等も含め取り組んでまいります。

続いて、「環境を守り安全に暮らせるふるさとづくり」について申し上げます。

阿武隈山地、宇多川、松川浦など、「相馬市民の歌」の歌詞にもうたわれている本市の豊かな自然は、私たちの暮らしに恵みと彩を与えてくれています。震災で傷ついた自然を取り戻しながら、持続可能で自然と共生する社会を目指していく必要があります。

市は、低炭素社会の推進と地域の防犯体制の向上を目指し、平成26年度から2カ年にわたって行政区のご意見を踏まえながら市内防犯灯のLED化を実施してまいりました。LED防犯灯は従来の蛍光灯と比較して電気代は安くなるものの器具交換費用が割高になること等から、今後の器具交換について補助していくことといたしました。

生活環境においては、安全で安心して暮らせるまちを維持してまいります。昨年3月から取り組みを開始した地域見廻り隊による防犯パトロール活動については、地域ボランティアの皆さまのご理解とご協力をいただき、継続して実施しております。交通事故や犯罪の発生件数が減少するなど、その効果が表れてきているものと考えております。今後とも警察や関係団体と連携しながら、地域安全活動に取り組んでまいります。

また、震災以来、被災者支援の一環として開設してきた「ワンストップサービス困りごと相談所」、及び多重債務や消費生活に関する市民の相談窓口も引き続き開設し、市民生活の安定と消費者行政の推進に努めてまいります。

放射能対策については、これまで同様「正しく怖れ、賢く避ける」を基本方針として、市民の不安解消に努め、特に子供たちの徹底した健康管理を継続してまいります。
光陽地区に仮置きしている除染土砂の中間貯蔵施設への移送について、平成28年度の割り当て分2,682袋は、昨年12月末までに完了しております。また、私立幼稚園、保育園の敷地内に保管していた汚染土砂は光陽地区仮置場への搬出が全て完了し、小中学校のものも年度内に全て搬出作業を終える予定で、これらは今年度中に国が双葉町の町有地へ輸送することとなっております。

なお、農地の除染につきましては、平成28年度、玉野地区の牧草地約14ヘクタール、田畑約6ヘクタールで行っており、今年度で全て終了いたします。

平成28年度から行っている全市民を対象にした個人積算線量計、いわゆるD-シャトルによる外部被ばく測定は、2月26日までに申込者2,116人全員の測定を終えております。これまでに測定データの解析が終了した988人には、年間追加被ばく線量が1.0ミリシーベルトを超えると推定される方はいませんでした。現在、残る方のデータ解析を行っており、平成29年度も継続してまいります。

内部被ばく検査につきましては、平成28年度、3,924人が受診いたしました。その結果、中学生1名から預託実効線量0.112ミリシーベルトの値が検出されました。これは医療用レントゲン写真1枚ないし2枚に相当する線量であり、健康被害は考えられない線量です。調査の結果、本市より原発地域に近い場所で採取した野生のキノコを食したことによる内部被ばくであると判明しました。市は、生活指導の上、後日再検査することといたしました。
一般の方対象の内部被ばく検査については、42歳から85歳の大人10名から同0.008ミリシーベルトから0.031ミリシーベルトの値が検出されました。これらについても極めて低い値ですが、市は、個々人の日常生活の状況を聞き取り、指導しながら再検査を行い、フォローアップをしてまいります。
なお、今後とも日常的な内部被ばくの有無を確認するため、年一回は検査を受けるよう周知するとともに、子供たちの検査は来年度も学校検診に取り入れて実施してまいります。
外部被ばく検査及び内部被ばく検査の結果は、これまで同様市ホームページで公表してまいります。今後とも、市民の放射能対策、特に子供たちの健康対策には万全を期してまいります。

続いて、「健やかで安心して暮らせる地域づくり」について申し上げます。  

お年寄りも、障がいのある方も、健康である方も、地域の中で健やかに過ごしていただくためには、お互いが支え合う関係性を保持するとともに、万が一のセーフティネットをしっかり整えておくことが必要になってまいります。

平成28年度、市は刈敷田南市営住宅団地の通称「骨太公園」を活用し、介護予防事業『もりもり骨太教室』を開催してきました。市社会福祉協議会や医師及び理学療法士のご協力のもと、6月から6ヶ月、のべ51日、登録者23名が運動プログラムを行いました。参加者から好評をいただいた内容であったことや、簡単な器具を使えば地域の集会所等でも簡単に実施できることから、市はこの骨太体操を市内各地域に展開していくことといたしました。高齢者が地域で自主運営する集いの場を市社会福祉協議会と協力して支援し、高齢者の健康づくりに取り組んでまいります。

重度心身障がい者の方が医療機関を受診した際、これまでは窓口で一旦医療費をご負担いただいておりましたが、子ども医療費と同様、相馬郡内の医療機関においては窓口で支払いすることなく受診できる現物給付方式の導入を目指してまいります。

地域医療を支える人材の育成については、相馬看護専門学校の地元入学枠を設けるなど取り組んでおりますが、平成29年4月から双葉地方広域市町村圏組合が、南相馬市で再開する公立双葉准看護学院の運営について、関係機関、相馬地方、双葉地方の市町村と連携して支援してまいります。

相馬地区更生保護サポートセンターについては、国や相馬地区保護司会からの要請に基づき、新地町と共同で、平成29年度から振興ビル内に開設することといたします。地域における更生保護活動の拠点として、経験豊富な企画調整保護司が常駐して保護司の支援や関係機関との情報連携等を行い、犯罪や非行の防止に努めてまいります。

続いて、「着実な社会資本の整備と計画的な維持管理によるまちづくり」について申し上げます。

私たちの生活基盤である社会資本や公共施設の整備にあたっては、復興事業はもとより、維持管理や更新等のトータルコスト、適切なマネジメントを見据えて取り組んでまいります。  

復興支援道路 相馬福島道路のうち、阿武隈東道路 相馬山上インターチェンジから相馬玉野インターチェンジの間、延長10.5キロメートルの区間が、来る3月26日に開通することが決定されました。福島県立医大病院への患者の搬送時間の短縮や、相馬港と福島市や米沢市など内陸地域との産業の連携強化、交流人口の増大等が期待されるところであります。国に対し一日も早い全線開通を継続的に要望してまいります。
また、山上字山岸地内に整備を進めてきた「相馬市バスターミナル」が4月1日から供用開始する予定であり、現在関係機関との調整を進めております。相馬インターチェンジに隣接し、常磐自動車道、相馬福島道路等の公共交通ルートの拠点施設として、バス利用者の利便性の向上につながるものと考えております。

津波被災地の土地利用につきましては、「原釜・尾浜地区の土地利用を考えるワークグループ」からの提案内容をもとに、現在、広場の実施設計を進めております。今後、地域住民や関係機関との間で詳細設計や維持管理等について合意形成を図りながら、早期の工事着工に向け準備を進めてまいります。
また、県営事業である防災緑地等の工事のために設けられた坪田地区・今田地区の公設土取場の事業終了を見据え、将来の跡地利用についても検討を始めてまいります。

以上、相馬市総合計画「相馬市マスタープラン2017」の8つの主要テーマの区分に沿って、新年度の主な事業や取り組みについてご説明申し上げましたが、これらの事業を着実に進め、目標とするまちの将来像「たくましく。地域、暮らしをともに創り、誇りをもてる相馬市」を実現するために、市役所が一丸となって「新生そうま」の地域経営にあたっていく所存であります。
今回の総合計画の策定にあたっては、市民各世代のご意見をアンケートによりお聞きし、また約130名で構成する「相馬市まちづくり協議会」で7回にわたる議論をいただくなど、策定プロセスに市民の皆さまに直接関わっていただいたことは、非常に有意義なことであったと思っております。
これまでの市政運営や復興においても、NPOや市民団体、関係機関団体と連携協力し、またボランティアのご協力をいただいてまいりました。私は、この市民の力が何よりこの相馬市の財産だと思っております。相馬市マスタープラン2017に基づいたまちづくり、地域づくり、相馬市づくりの確かな成果をあげていくために、なお一層市民の皆さまの積極的な参画をいただきながら、我々行政としても、市職員も、一緒に汗を流してまいります。議員各位並びに市民の皆さまのご理解とご協力を心からお願いいたします。

先日、教育復興子育て基金に毎年ご寄付をいただいている本市出身の方からお手紙をいただきました。文面からは、返礼品としてお送りしている「相馬献上米」を楽しみにしていただいていることや、故郷の復興を切に願うお気持ちが伝わってまいりました。「心からの笑顔が戻らなければ、本当の復興とは言えない」。これはその方の文中のお言葉ですが、その方がおっしゃるとおりだと思います。
相馬市民一人ひとりのご努力と市民の団結力によって、本市の復興は進んできましたが、その陰には、この方をはじめとして相馬市外からの多くの方々の支えと見守りがあるという事実を忘れてはなりません。私たちはこのことを深く胸に刻み、震災前よりもいい相馬市を創り、将来に希望の持てる復興を成し遂げてまいりましょう。

来る3月11日には、震災で犠牲となられた方々を追悼し、復興を誓うため「相馬市東日本大震災追悼式」を市民会館で執り行います。当日は、どなたでも参列できますので、多くの方にご参列いただきますよう謹んでご案内申し上げます。また、地震発生時刻の14時46分に、追悼のサイレンを吹鳴いたしますので、市民の皆さまにはそれぞれの場所で黙とう捧げられますようお願いいたします。


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