議会あいさつ

平成17年第1回相馬市議会3月定例会

2005-03-07

本日、平成17年第1回相馬市議会3月定例会を招集いたしましたところ、議員各位には全員の御出席をいただきましたことに御礼を申し上げます。

初めに、先日発生いたしました自衛隊ヘリコプターの誤着陸事故について御報告を申し上げます。
去る2月18日、陸上自衛隊東北方面航空隊のヘリコプターが、災害時の救護活動を想定した離着陸訓練を実施した際、本来の訓練場所と異なる相馬市立中村第一中学校校庭で、午前中4回、午後3回、計7回にわたり、誤って離着陸を繰り返すという事故が発生いたしました。
授業中であった学校では、幸いにして、体育など校庭を使った授業や活動がなかったため、けが人等の被害発生までに至らなかったものの、ヘリコプターのエンジン音により学習の妨げとなったことについては遺憾であります。
この誤着陸事案に関して、3月3日に陸上自衛隊東北方面航空隊長が陳謝のため来庁した際に、今後の訓練に際しては、市当局と十分協議の上、再発防止はもとより、大規模災害の際の、当市と自衛隊の連携が円滑に行えるように話し合いを持ったところであります。
しかしながら、この事故に関する本市の対応につきましては、訓練内容を事前に把握していなかったこと、市民に対し訓練実施の事前周知を怠ったこと、さらに、誤着陸を認知した時点において自衛隊に速やかに通報を行わなかったことなど、反省すべき点が多々明らかとなり、危機管理の甘さを露呈する形となりました。
本市が迅速かつ適切に対応していれば、後半の誤着陸は回避され、爆音で授業中断を余儀なくされた学校側の被害も最小限に防げたものと考えており、改めて、御心配、御迷惑をおかけした市民の皆様をはじめ、関係機関団体の方々に対しまして、陳謝申し上げる次第であります。
今後は、このたびの事故を重く受け止めるとともに、全庁を挙げて担当する事務事業に対する精度を上げる努力に意を払い、常に不測の事態に対する危機管理の徹底を期して参ることを申し述べ、ここに議員各位に対する御報告といたします。

◆(新年度に取り組む所信の一端)
それではここで、新年度に取り組む所信の一端並びに諸般の情勢等について申し上げます。
厳しい財政状況の中においても、地域間競争に勝ち抜き、個性ある豊かな地域社会を創造するためには、市民に対し更に情報を開示し、市民と市役所がともに知恵を出し合い、連携を深めながら総力の結集を図ることが何よりも大切であり、真に豊かで新しい相馬市づくりの基本であると考えております。
さらに、地方自治体の本来の存在目的である市民生活のセィフティーネットを担保し、安全で安心して暮らせる地域社会をつくることが極めて重要であると考えており、今後も相馬市が健全な地域であり続けるため、各種事業における目的意識を明確に持ちながら、市民の期待に応えられる行政のあり方を常に模索・実践し、新たな取り組みによる行政サービスの向上に日々挑戦し、全力を尽くして参る所存であります。
昨今、平均寿命の進展に伴う社会的負担が、少子化現象と関連して新たなテーマとなってきておりますが、人生の終焉に至るまでの時間を「寝込んだときの不安」と闘うことなく生き生きと暮らせる社会を実現することが、大切であると私は考えております。
要介護時の不安からの解放は、幸福な老後を過ごすための大きな課題であります。
この課題に対して、完全な体制を構築することはできないものの、相馬市に生まれ、相馬市において人生を完結しようとする市民に対し、可能な限り安心して暮らせるシステムを目指すことが、我々に課せられた使命と考えております。
現在の市内の医療福祉関連施設については、民間活力を背景として、急性期病床、療養型病床、介護福祉施設、複数の介護保健施設、訪問看護ステーション、ヘルパーステーションと、医療と介護に必要な社会資本がすべて整ったことから、今後は、福祉に関するNPOをはじめとするボランティア団体とも連携を図りながら、医療介護資源の連携システムを相馬市独自のパッケージとして推進して参りたいと考えております。
また、「福祉と文化の都市そうま」の理念を推進するためには、企業誘致を促進し、新たな雇用創出の拡大による若者の定着を図り、子どもや孫と暮らせる地域社会を実現することが重要であると考えるものであります。
相馬の子どもたちが、働きがいのある職業を得て、親、親戚、友人に囲まれて、このふるさと相馬で精神的にも、そして経済的にも豊かに暮らしてゆくためには、企業と共に成長できるような人材に育成してゆくことが重要であり、そのためには、学力の向上が、極めて大きな課題であります。
地域間競争あるいは国際間競争の中での「生きる力」は、素養や教養の基礎となる「読む、書く、計算できる」といった学力無くしては成立しないものであり、地域を担う相馬の子どもたちの未来のためにも、一層の教育の充実を図って参りたいと考えております。
以上、活力と夢があふれる新世紀そうまの実現に向け、全職員が一丸となって各施策の執行に努めて参りたいと考えておりますので、議員各位の一層の御支援と御協力をお願い申し上げます。

◆(市政の諸課題と主なる事業等)
続いて、新年度に向けて当面する市政の諸課題と主なる事業等について申し上げます。
はじめに、平成17年度相馬市一般会計当初予算の概要について申し上げます。 我が国の経済情勢は、世界経済の回復が続く中で、生産や設備投資が増加するなど企業部門が引き続き改善することを背景に、景気回復が雇用・所得環境の改善を通じて家庭部門へ波及する動きが強まり、引き続き民間需要中心の緩やかな回復が続くと見込んでいるものの、依然として地域格差が見られ、地域自らの意欲と行動に立脚した地域経済の活性化と地域雇用の創出に取り組んで行かなければなりません。
政府は、昨年、バブル経済崩壊後の負の遺産からの脱却に目途をつけるための集中調整期間の仕上げと、新たな成長基盤の重点強化を図るため、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」を策定し、国庫補助負担金の削減、地方交付税制度の見直し、地方への税源移譲といったいわゆる「三位一体改革」を推進しているところであります。
このような状況のもと、本市におきましては、個人市民税は税制改正により増加が見込まれるものの、景気の低迷により法人市民税や固定資産税などの市税の伸びが見込まれず、引き続き厳しい財政状況が予想されることから、今後も行財政改革を強力に推進し、歳入に見合った財政規模への確立を図りつつ、行政サービスの低下や市政の円滑な運営に支障を来たさないよう中長期的視点に立ち、的確で効率的な財政運営に努めて参りたいと考えております。
平成17年度相馬市一般会計当初予算の編成にあたりましては、歳入面では市税及び地方交付税は現時点での見込額を全額計上するとともに、国・県補助事業の縮減傾向の中にあっても積極的な運用に努めながら、地方財政対策の一つである臨時財政対策債などの市債の活用を図りました。
歳出面では、身の丈にあった厳しい歳入状況に合わせ、公債費及び扶助費等の義務的経費、さらには一部事務組合への負担金が増加する中で、新たな施策に伴う経費の捻出は困難なことから、物件費及び維持補修費は前年度当初予算の90パーセント以内の予算要求枠を設け、補助金等については、ゼロからの積算とし、普通建設事業費については、事業目的の明確化、必要性を考慮し、さらに相馬市総合計画の実施計画に掲げられている事業であっても見直しを行い、限られた財源の中で最大限の行政効果をあげるべく、重点的かつ効率的な配分に努めたところであります。
具体的には、次の7点を重要課題として予算編成にあたりました。

1、事務事業を積極的に見直し、真に必要な事業を推進し、すでに当初の使命を終えた事務事業についてはスクラップアンドビルドの原則に立ち展開すること。
2、生涯教育及び林業振興についてNPOやボランティア団体との協力・連携を図ること。
3、市単独補助金については当該交付団体の運営状況を精査し、公益性、公平性また必要性を徹底分析して補助金の整理合理化を検討し、終期を設定すること。
4、市が負担金等を交付している一部事務組合及び第三セクターの経営健全化を促進すること。
5、公共施設の総合的な利活用を検討・実施すること。
6、「広報そうま」や市ホームページを最大限に活用することにより、行政情報の共有化を図ること。
7、市税等の収納率向上や遊休市有地の処分などにより自主財源を確保すること。

以上のことを基本に予算編成を行い、平成17年度相馬市一般会計予算案の総額は、前年度対比29.5%の増の168億円となりました。
しかしながら、そのうち44億9750万円は、光陽地区造成事業にかかる特別会計の繰入金を計上し、38億5560万円を財政調整基金等へ積み立てることから、実質的な予算総額は前年度に比べ3170万円、0.2%減の129億4430万円となります。

主なる重点事業を申し上げますと、ソフト面では新規事業の障がい者支援事業、国勢調査事業、災害対策図上訓練事業、民間派遣交流事業、継続事業では総合行政情報システム運営事業、道の駅体験学習館運営事業、消防設備整備事業、相馬市教育研究実践センター事業、外国語教育支援事業、学力向上推進事業、相馬市史編纂事業、ふるさと相馬ブランド化推進事業、音楽の郷づくり推進事業、芸術文化奨励事業などの一方、ハード面では、新規事業の飯豊小学校屋内体育館改築事業、継続事業の向陽中学校屋内体育館改築事業、常磐自動車道相馬南地区工事負担金、地方特定道路整備事業、市道新設改良事業、公共下水道事業、農業集落排水事業などについて、措置したところであります。
以上、本市の新年度当初予算の編成作業にあたっては、昨年に引き続き厳しいものでありましたが、このような財政状況に関する情報は、市民の皆様と共有しながら認識をさらに深めていかなければならないと考えております。そして、行政サービスの低下を招くことなく、全庁一丸となって行財政改革を推進しつつ、予算の適正な執行に努めて参る所存であります。

◆(光陽地区造成事業について)
続いて、光陽地区造成事業について申し上げます。
相馬中核工業団地内の未造成用地につきましては、自然環境の保全及び有効な土地利用を図るため、石炭灰埋立事業を相馬共同火力発電株式会社から承継し、適切に管理していくことが最良の手段であるとの判断の下、昨年12月28日付で独立行政法人中小企業基盤整備機構と土地売買契約を締結し、用地を取得いたしました。
これまで、国・県の指導を仰ぎながら、産業廃棄物処分業を行うための条件整備等について鋭意協議を重ねてまいりましたが、このたび約40年間にわたる石炭灰を埋立する光陽地区造成事業について、相馬共同火力と基本的合意に達したところであります。
ついては「相馬市光陽地区造成事業特別会計」を新設し、石炭灰埋立処分場の施設を新たに取得するための関係予算を本議会に提案するものであります。さらに、民生部内に「環境公園課」新設し、事業の推進を図って参りたいと考えております。

◆(パークゴルフ場整備について)
次に、パークゴルフ場整備について申し上げます。
県立自然公園松川浦をはじめとする観光資源を有効に活用し、通年型の体験型観光を新たに創出することで地域振興を図り、さらに、昨今の健康づくりや生きがいづくりに貢献し、誰もが気軽に楽しめる生涯スポーツの機会の提供による住民福祉の向上を図るため、中小企業基盤整備機構から取得した当該用地のうち、すでに石炭灰の埋立が完了しているA区画21.8ヘクタールに、パークゴルフ場を含む運動公園等を整備して参りたいと考えております。
当該用地につきましては、県の指導を仰ぎながら有効利用のための方策を模索して参りましたが、産業廃棄物処分場廃止前であっても上面利用が可能であることから、平成17・18年度の2ヵ年事業として、国の電源地域振興・産業基盤整備支援事業助成金を活用した相双地域広域観光拠点整備事業の採択を受け、6コース・54ホールのパークゴルフ場として整備するものであります。
工業団地内に運動公園等を整備することで、環境の保全や緑化の推進はもとより、誘致企業に対する健康増進施設の提供など工業団地のイメージアップが図られるものと考えております。また、完成後は、広域的なパークゴルフ大会等を企画することにより、通年型の広域観光資源としての効果を期待するものであります。

◆(中小企業基盤整備機構所有地の取得について)
次に、中小企業基盤整備機構所有地の取得について申し上げます。
相馬中核工業団地内の中央公園用地14.88ヘクタールにつきましては、本年1月末に中小企業基盤整備機構から土地譲渡に関する協議があり、市といたしましては、当該用地が相馬中核工業団地B区画と隣接する一団の土地であり、将来にわたり市民生活の向上が図れるよう、運動公園等の整備も含めた利便施設として一体的な整備を図る必要があることから、公共公益施設用地として取得したいと考えております。
新たな財政負担の軽減を図るため、より低価格での購入交渉を行い、平米あたり1199円すなわち一坪あたり3957円、合計金額で1億7849万2千円にて事前交渉が済んでおります。また、単年度の負担軽減のため20年賦の分割支払いの方法による取得を予定しております。

◆(市制施行50周年記念行事関係について)
次に、市制施行50周年記念行事関係について申し上げます。
本市では、平成16年3月に市制施行50周年を迎え、市が誕生して半世紀の区切りの年を記念いたしまして、様々な記念行事に取り組んで参りました。
昨年の10月31日には、市民約130人の参加をいただき、かけがえのない美しい相馬の自然環境を後世に残すという思いを込め、今田地区にクヌギやオオヤマザクラなど約500本の記念植林を実施いたしました。

また、先月27日には、ふるさと相馬を再認識するとともに、相馬らしさを生かしながら21世紀の新しい相馬市の将来像について市民と共に考え、協働による市民参画のまちづくりを推進するため「相馬市の未来を考える」フォーラムを開催いたしました。
当日は、地元高校生による意見発表や福島大学教員による基調講演、さらには市内各界代表によるパネルディスカッションにより、相馬市の将来像について共に語り合い、夢と活力あふれる地域づくり・ひとづくりについて理解を深めたところであります。

このほか、11月1日から約1ヶ月間、市教育文化センターにおいて、昭和の時代がよみがえる貴重な資料や写真による「相馬市誕生・昭和の暮らし」展を実施したほか、例年開催しております市主催の敬老会や、相馬民謡全国大会などの各種行事やイベントに市制施行50周年記念の冠を付し、協賛事業として28事業を実施いたしておりますので、併せて御報告申し上げます。

◆(防災行政について)
続いて、防災行政について申し上げます。
昨年は、新潟・福井地方の集中豪雨をはじめ、観測史上最多の上陸数を記録した台風、さらに、「新潟県中越地震」、スマトラ島沖地震による大津波など、国内外で大きな災害が多発したところであります。また、政府の地震調査委員会は、宮城県沖を震源とするマグニチュード7.5から8クラスの地震が、今後30年以内に99パーセントの確率で発生することを予測しております。
市といたしましては、地震や台風・集中豪雨等による災害に対し、迅速かつ的確な対応・対策を図るため防災計画を見直し、大規模災害時における自衛隊との連携を図るなど、防災体制の再整備に努めて参りたいと考えております。
さらに、市民の防災意識の高揚を図るため、平成17年度は八幡地区で防災訓練を実施するとともに、災害時における時間ごとのシミュレーションを通し、指揮・命令系統の再構築や災害応急体制の確立を目指し、「災害対策図上訓練」を実施して参りたいと考えております。

◆(職員の相互交流について)
続いて、職員研修関係について申し上げます。
 近年の自治体を取り巻く環境は複雑さを増し、行財政改革をはじめ地方分権、長引く経済不況による財政の悪化等、多くの課題が山積していることから、民間企業のコスト感覚や広範な経営手法等の習得を目的に、市役所と民間企業の職員の相互交流を図る「実務研修制度」を創設し、実施いたしたいと考えております。
平成17年度は、情報システム関連企業に対し、職員1名の相互交流を実施し、能力開発と行政の資質の向上を図るとともに、多様化する環境の変化に迅速かつ的確に対応できる人材の育成に努めて参りたいと考えております。

◆(電子申請システム「ふくしま・E窓口」について)
続いて、電子自治体の推進について申し上げます。
納税証明書や住民票等の交付に関する申請並びに各種届出が、インターネットに接続しているパソコンを使って手続きできる電子申請システム「ふくしま・E窓口」を、本年4月から運用開始します。
現在、37項目の手続きが電子申請可能となっておりますが、今後は、手続き業務を増やすなど、本システムの一層の充実と窓口業務のノンストップ化を目指し、行政サービスの向上に努めて参りたいと考えております。

◆(「行政サービスコーナー」の利用状況について)
続いて、「行政サービスコーナー」の利用状況について申し上げます。
行政サービスの向上と市民ニーズに迅速に対応するため、駅前振興ビルに開設した「行政サービスコーナー」の諸証明の交付件数は、開設から2月末まで2344件、月平均213件となっております。
なお、午後5時以降の交付件数は、618件と全体の26パーセントを占めていることから、今後も、市民生活の利便性に配慮し、さらなる行政サービスの向上に努めて参りたいと考えております。

◆(障害者及び高齢者福祉行政ついて)
続いて、障害者及び高齢者福祉行政ついて申し上げます。
障がい者施策のうち、聴覚障害者には健常者とのコミニュケーションを円滑にするための手話通訳者の養成事業を、視覚障害者には点字翻訳図書の充実を、さらに、精神障害者には社会適応能力の向上による自立を促すためのグループワーク事業等の支援事業を実施して参りたいと考えております。
また、障がい者の施設生活スタイルを地域生活スタイルへと転換し、ユニバーサルデザインの理念を踏まえた新しい社会づくりに関する「第二期相馬市障がい者計画」を策定して参りたいと考えております。
なお、昨年12月、県の高齢者社会対策推進事業を活用し、玉野公民館・出張所の玄関にスロープと手摺を設置し、地域の高齢者が容易に入館できるよう整備しておりますので御報告を申し上げます。

◆(「健康相馬21計画」の策定について)
続いて、保健行政について申し上げます。
国民の健康づくりを社会全体で支援するための「健康増進法」が平成15年5月に施行されたことに伴い、生活習慣病予防に対する認識が深まっていることから、市では、市民が将来にわたり健やかで心豊かに生活できる環境づくりを推進するため「健康相馬21計画」を策定いたしました。
市民一人ひとりが主体的に健康増進に取り組み、心がけることとして運動、栄養、休養の3つの柱を掲げ、乳幼児期、学童期、青年期、壮年期、高齢期の各世代の課題と目標を設定したところであります。
市民の健康寿命を延伸し、生活の質の向上を図るため、健康づくりに関する事業等を積極的に展開して参りたいと考えております。

  ◆(企業立地関係)
続いて、企業立地関係について申し上げます。
 去る1月24日、石川島播磨重工業株式会社は、航空機エンジン部門の生産体制の合理化計画に基づき、田無工場の生産機能を平成19年10月まで相馬工場に全面移転することを正式に決定し、本年5月、相馬工場南側用地に建築面積約2万8千平方メートルの工場建屋の着工が予定されております。
 県内各地での企業誘致を取り巻く環境が厳しい中にあって、石川島播磨重工業株式会社相馬工場の増設をはじめ、株式会社東北三之橋相馬工場の今月中の操業開始やエム・セテック株式会社の東地区への新たな進出など、地域経済に対するプラス効果や新たな雇用創出の朗報は誠に喜ばしい限りでありますが、現在、相馬中核工業団地東地区に41ヘクタール、西地区に24ヘクタールの合計65ヘクタールの未分譲地を抱えている状況を鑑み、さらに関係機関と連携を強化し、積極的な誘致活動を展開して参りたいと考えております。 

◆(観光行政について)
続いて、観光物産行政について申し上げます。
先般、相馬市の観光と行事を一体的にPRするための「平成17年そうまのふるさと行事」が決定されましたので、観光協会をはじめ、各関係機関団体が一体となった取り組みを行いながら、四季を通した通年滞在型観光に結びつく観光資源の開発並びに市のホームページを利用したPRなども積極的に進めて参りたいと考えております。さらには、相馬市の特産品の掘り起こしやインターネットを通した販路拡大・ブランド化推進事業を展開するとともに、「道の駅そうま」を拠点に野馬追関係の展示や郷土料理づくりなど各種イベントを催し、観光物産の情報発信基地としてさらなる充実を図って参る所存であります。
また、道路利用者に対し、移動快適性や健康管理の向上など快適な休憩サービス空間と災害時の緊急滞在場所を確保するため、国土交通省磐城国道事務所並びに相馬市医師会の御協力を得て、道の駅そうまの道路情報・休憩施設内に「リフレッシュ・スポット」を新たに設け、全自動血圧計やマッサージチェア等を設置いたしました。さらに、住民福祉の向上と施設の有効活用を図るため、福島県看護協会相馬支部の御協力を得て、毎月第3日曜日、午前10時30分から午後2時30分まで「まちの保健室」を実施し、地域住民の健康管理にも寄与して参りたいと考えております。
なお、JR東日本水戸支社と松川浦観光旅館組合では「浜通り冬の味覚ズワイガニ等を味わおう」を企画し、去る1月14日を皮切りに2月末まで計5回、首都圏方面から「団体臨時お座敷列車」を運行し、約320名の観光客が松川浦の旅館・民宿に宿泊するなど相馬の冬の観光・味覚を堪能していただきましたので、御報告申し上げます。

◆(農政関係について)
続いて、農政関係について申し上げます。
平成17年度は、米政策改革の推進に向け、16年度に農業関係者・消費者・関係団体等で策定いたしました、「相馬市地域水田農業ビジョン」を基幹施策として、農業の担い手と、エコファーマー農法を導入し、消費者が求める安全・安心な米づくりを農業者と一体となり取り組んで参りたいと考えております。
なお、17年産米の目標数量は、当市のこれまでの生産調整の実績やエコファーマー農法の取り組み等が評価され、県内の大多数の市町村が減少する中、4、5トン増の11,237トンが配分されております。
松ケ房ダム関連の県営かんがい排水事業につきましては、左岸幹線用の相馬頭首工が昨年8月に着工し、平成18年度完成を目指し順調に進捗しております。また、左岸幹線用水路は、昨年6月から市内小野地区及び新地町内を施工しており、16年度末で全体18,900メートルの内、14,983メートルが完成予定であり、進捗率としては79パーセントとなり、平成20年度の完全供用を目指し、鋭意努力して参りたいと考えております。

◆(高速道路関係について)
続いて、高速道路関係について申し上げます。
常磐自動車道相馬市南地区・約5キロメートル区間の進捗状況につきましては、昨年12月20日に山岸地区の宇多川橋橋梁下部工事と市道の交差する5箇所のボックスカルバート工事の入札が執行され、平成19年3月の完成を予定しており、また、常磐自動車道相馬市北地区・約7キロメートル区間につきましては、昨年12月より用地契約が進められ、2月末日現在で、契約率62パーセントとなっております。
一方、一般国道115号「阿武隈東道路」約10.7キロメートルにつきましては、路線の地形・地質の測量調査が実施されており、17年度には路線設計に入る予定となっておりますので、併せて御報告申し上げます。

◆(道路行政について)
続いて、市道等に係る道路行政について申し上げます。
 地域の生活基盤の確保と市民生活や経済・社会活動を支える基礎的な施設である道路につきましては、重点事業と位置づけて鋭意その整備促進に努めてきたところであり、新年度においても引き続き地方道路交付金事業や地方特定道路整備事業などを活用し、計画的な幹線道路網の整備に努めるとともに、限られた予算の範囲内において、市単独事業による道路改良舗装を進めて参りたいと考えております。
一方、国・県等で施工されております一般国道6号相馬バイパス整備事業につきましては、平成17年度の供用開始を予定している第2工区(主要地方道原町海老相馬線〜主要地方道相馬亘理線・延長約3000メートル)の宇多川橋、小泉川橋並びに北飯渕地区の連続BOXカルバートが完成し、全区間の法面工事と舗装工事を進める計画となっております。
平成19年度に供用開始を予定している第1工区(国道6号の起点〜主要地方道原町海老相馬線・延長1800メートル)については、用地買収作業と並行し盛土工事が進捗しておりますが、17年度は馬場野地区の連続ボックスカルバート等の改良工事を含め梅川橋(仮称)の下部工工事が発注予定とのことであります。また、県事業として施工中の坪ヶ迫・寺前線につきましては、法面工事及び舗装工事の着手を予定しており、17年度の供用開始に向けて最終段階を迎えております。  

◆(下水道関係について)
続いて、下水道関係事業について申し上げます。
 公共下水道事業につきましては、平成16年度末までの下水道整備人口が、約21500人に達し、普及率は約55パーセントとなる見込みであり、新年度は、昨年度に引き続き程田地区幹線の延伸と緑ヶ丘団地南側の汚水を取り込むための幹線管渠の整備を、枝線工事については、緑ヶ丘団地、程田・新田地区等を重点的に進めて参りたいと考えております。
 次に、磯部地区の農業集落排水事業につきましては、今年度末で幹線管渠が完了し、使用可能世帯が369軒で供用率は約92パーセントになる見込みであり、新年度は枝線の整備を進めて参りたいと考えております。
 なお、16年度末での全体汚水処理普及率は、約70パーセントを見込んでおりますが、今後とも浄化槽設置整備事業を活用しながら快適な生活環境と良質な水環境づくりに取り組んで参ります。

◆(教育行政について)
続いて、教育行政について申し上げます。
 はじめに、学校教育につきましては、社会の変容が急速に進む中にあって、「教育の充実と人づくり」を最重要課題と位置づけ、「確かな学力」、「豊かな人間性、社会性」さらには「郷土愛」を育みながら、21世紀に生きる子どもたちが「生きる力」を身につけ、社会の発展に貢献できる人材の育成に取り組んでおります。
平成17年度の学力向上対策については、個に応じたきめ細かな指導の充実を図るため、各学校の状況を踏まえながら全国初となる福島県の30人程度学級の導入を積極的に進めて参ります。
また、国際化に対応できる国際理解教育の充実のため、中学校での英語指導助手を2名に増員するとともに、小学校の英語活動支援事業を市単独事業として継続し、英語力の向上を図って参りたいと考えております。
さらに、相馬市教育研究実践センターに指導主事1名を配置するなど、機能の充実を図りながら教職員の資質の向上に資して参りたいと考えております。

次に、子どもの安全管理について申し上げます。
学校内への不審者の乱入や、通学路で子どもが襲われたりする事件が毎日のように報道されている現状に鑑み、事件事故を想定した学校独自の防犯マニュアルや通学安全マップの作成など、安全管理の取り組みを強化しているところであります。 現在、公用車や学校関係者の乗用車等に「子ども安全パトロール中」のステッカーを貼付し、安全確保に努めておりますが、新年度は、中村第一小学校の「地域ぐるみの学校安全推進モデル事業」の活動を市内全体に普及させ、地域ぐるみで子どもの安全管理に努めて参りたいと考えております。

◆(生涯学習関係について)
次に、生涯学習関係について申し上げます。
市民の生涯学習に対する関心と意欲に応えるため、「いつでも、どこでも、なんでも学習できる社会」をテーマに、その基盤整備を図っておりますが、平成17年度は、生涯学習推進本部を中心に「生涯学習だより」や「生涯学習ガイドブック」などの情報内容を一層拡充し、「相馬市まちづくり出前講座」や各公民館の講座・教室など、多種多様な学習の機会を提供し、多くの市民が参加できる体制づくりに努めて参りたいと考えております。
さらには、各種のボランティア団体やNPO団体の活動を支援するため、生涯学習会館内の「そうまボランティア活動支援センター」に事務機器等を設置するなど機能をより充実させて参る所存であります。
なお、桜丘小学校児童を対象に16年度にスタートした「子どもの居場所づくり事業」については、放課後や週末等に学校や社会教育施設等を利用し、スポーツ・文化活動などの体験活動を地域住民との交流の中で行い、子どもたちに安全で安心して過ごせる居場所を提供するばかりでなく、豊かな心を育み、人間性・社会性を身につけさせることを目的として実施しておりますが、17年度は、活動拠点を増やし、市内各地域をはじめボランティア団体やNPO団体と連携し、地域教育力の向上のため、さらなる拡充を図って参りたいと考えております。
また、音楽にふれあい、安らぎと潤いのある街づくりを目指し、15年度にスタートした「音楽の郷づくり事業」については、そうま音楽夢工房のスタッフが中心となり、これまで15回のコンサートを開催しておりますが、市民の芸術文化の振興育成と豊かな感性を育むため、一層の充実を図って参りたいと考えております。
 次に、本市の自然・政治・社会・文化を中心に、その変遷等を明らかにし、歴史的財産として後世に引き継ぐ相馬市史編さん事業については、間もなく資料集特別編「中村藩士系譜」の一冊目が刊行されることになっております。
さらに、資料集の刊行や本巻発刊へ向けて嘱託職員1名を増員し、編さん体制の充実を図るなど、編さん作業の計画的な推進に努めて参る所存であります。

◆(教育施設の整備について)
次に、教育施設の整備について申し上げます。
2ヶ年の継続事業で工事を進めております向陽中学校の屋内運動場改築事業につきましては予定通り進捗しており、平成17年度工期内完成を見込んでおります。
また、飯豊小学校屋内運動場の改築につきましては、平成18年度から改築に着工いたしたく、県と協議を進めているところであり、構造設計業務、地質調査業務に係る経費を新年度予算案に計上いたしております。

◆(スポーツ振興関係について)
次に、スポーツ振興関係について申し上げます。
去る1月22日、23日の2日間、松川浦スポーツセンターにおいて、電源地域振興・原子力等立地地域振興支援事業「2005松川浦カップパークゴルフ大会」を開催いたしました。本年は、本市の魚介類・農産物等について、全国レベルでの知名度をアップするとともに観光資源としてのブランド化を確立し、観光客の誘客及び消費地の新規開拓を促進するなど、産業の振興と地域経済の活性化を図るため、財団法人福島県電源地域振興財団の事業採択を新たに受け実施したものであります。
大会では、市民をはじめ北海道・東北各地から328名のパークゴルフ愛好者の参加をいただき、うち約200名が松川、岩子などの旅館・ホテルに宿泊するなど、物産販売や無料カニ汁・アンコウ鍋を振舞いながら地域の振興を図るとともに、大いに相馬市をアピールできたものと考えております。

また、17年度の新規事業として、日本の伝統である相撲を体験するとともに体力向上と各小学校の交流を図るため、本年9月に「第一回相馬市小学生相撲大会」の開催を予定しております。

今後も、施設の整備や利便性の向上を図りながら各種大会やスポーツ教室を開催し、市民のスポーツへの参加促進と競技力向上を目指し、市民のニーズに応える活気あるスポーツ行政の展開に努めて参りたいと考えております。

◆(任意合併協議会について)
終わりに、相馬市・新地町任意合併協議会について申し上げます。
去る2月27日、新地町農村環境改善センターにおいて、第8回目の会議が開催され、その冒頭において、新地町長から「新地町においては、住民への周知期間が短く、十分な議論ができなかったこと、合併に対する機運が熟していないことなどの理由から、任意合併協議会を一旦閉じさせていただきたい」との提案がありました。 新地町長からの提案を受けて、議長を除く任意合併協議会委員全員から意見を拝聴し、集約を試みたところであります。
その結果、相馬市の委員全員が「合併は推進すべき」との意見でありました。
一方、新地町の方は、「早急に合併をすべき」とする意見と「合併の必要性は認めるものの、時期的には慎重にならざるを得ない」とする意見、さらに、「賛成意見が少ないので、民意は合併に至っていない」とする意見の、三通りの意見の開陳がありました。
また、新地町長からは、「住民アンケートを実施し、その結果を見て、新地町としての今後の対応を考えて行きたい」との発言がありました。
以上の議論を受けて、会長として次のようなまとめを行い提案をいたしました。
すなわち、「合併が成立するためには、相馬市と新地町の住民の総意が一致することが大前提でありますので、ここで多数決によって、協議会の意志を決定することは適切ではない。特に、採決によって新地町の委員の意見が割れた形での合意形成には無理があるとの認識に立ちました。しかしながら、新地町として、住民アンケートを実施し、方向性を決定するとのことであれば、その結果を待って再度協議をしましょう」との提案であります。もとより、両自治体として、当協議会の経費を予算化し、両議会において承認のうえ、協議会としての事業を継続してきた訳であります。
さらに、県当局からも合併アドバイザーの派遣をはじめ、補助金の助成をいただくなどの御支援をいただいて参りましたが、合併対象である新地町の町長からの「任意合併協議会を閉じましょう」との提案については、これを棄却して任意合併協議会の協議を継続することは困難であろうと思料いたしました。
しかしながら、過去7回の協議会において、お互いに議論した両地域の今後のあり方について、また、協議会の資料として情報開示された財政見通しなどは、今後、合併が成立するにしろしないにしろ、お互いの地域の将来にとって、極めて有意義な協議であったものと考えております。
市といたしましては、今後実施が予定されている新地町の「住民アンケート」の結果を踏まえ、新地町の皆さんが合併の方向を選択するのであれば、その際は、誠意をもって推進して参る所存であります。
以上、新年度に向けた所信の一端並びに諸般の情勢等について申し上げましたが、これらが推進にあたりましては、全職員が一丸となって市民の創意と英知を結集し、個性あふれる豊かな地域社会の建設に取り組んで参りますので、市議会をはじめ、市民皆様方の御支援、御協力を心からお願い申し上げます。

平成17年3月7日

 

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