議会あいさつ

平成16年第1回相馬市議会3月定例会

2004-03-08

本日、平成16年第1回相馬市議会3月定例会を招集いたしましたところ、議員各位には御多忙中にもかかわらず御出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。
平成16年度当初予算をはじめとする重要な諸議案を御提案、御審議をいただくに先立ち、新年度に取り組む所信の一端並びに諸般の情勢等について申し上げ、議員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

さて本年は、相馬市が昭和29年3月31日に1町7カ村の合併により市制を施行してから50周年にあたるため、半世紀を振り返り、確実な実績を評価したうえで反省すべきところを改め、さらなる飛躍のための原点と位置付け、若者が将来に向けた夢を語り、働き盛りの世代は生きがいを持ち、さらに高齢者や障がいを持つ方々が安心して暮らせる地域づくりを目指し、全力を尽くして参る所存であります。
豊かで新しい時代の相馬市をつくるためには、市民と職員の総力を挙げた地域づくりが何よりも必要であり、お互いが創意工夫を図り、各種事業における目的意識を明確に持って「ともに考える行政」を目指し、新たな取り組みによる行政サービスの向上に、日々挑戦して参りました。そして、このような市民の期待に応えられる行政のあり方を模索しながら実践してきた効果は、必ずや今後の相馬市発展の礎になるものと確信しております。
一方、わが国の経済は、企業収益の改善とともに設備投資が徐々に増加し始め、個人消費や雇用情勢にも持ち直しの動きが見られておりますが、地方は今だ不況の中で低迷にあえいでおり、本市の財政においても極めて厳しい現状にあります。 この厳しい財政状況に対しましては、その現実を直視しながら、積極的に情報開示に努めることが大切であると考えております。そして、広く市民の評価をいただきながら、市民の行政への積極的な参加を求め、開かれた市役所づくりに努めて参りたいと存じます。
庁内においては、地方分権時代にあって地域間競争を勝ち抜き、個性ある豊かな地域社会を創造するため、地方自らが政策を企画して実現できる能力の育成を図り、多様化する行政ニーズに適切に対応できる資質の向上を図って参る所存であります。
以上、活力と夢があふれる新世紀そうまの実現に向け、全職員一丸となって各施策の執行に努めて参りたいと考えておりますので、議員各位の一層の御支援と御協力をお願い申し上げます。

ここで、新年度に向けて当面する市政の諸課題と主なる事業等について申し上げます。

はじめに、平成16年度相馬市一般会計当初予算の概要について申し上げます。
政府は、昨年「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」を取りまとめ、国庫補助負担金の削減、地方交付税制度の見直し、地方への税源移譲といったいわゆる「三位一体改革」に取り組んでおりますが、税源移譲については実際に移譲する税目や額が未だ明確にされていない状況にあるため、地方では、地方税と並んで一般財源の根幹をなす地方交付税が大幅に削減されるなど、平成16年度の予算編成は、困難な状況を強いられております。
 本市におきましても例外ではなく、個人所得の減少などにより市税がさらに減収になると見込まれるほか、返済すべき公債費に加えて債務負担行為や繰出金をはじめとする義務的経費の増加、さらに地方財政制度の改革等によって年々減少してきている地方交付税が平成16年度は特に大幅な減額が見込まれ、財政的に極めて厳しい状況となっております。
かかる現状のもと、昨年9月に「財政非常事態宣言」を行った後、平成16年度から20年度までの期間にわたる財政シミュレーションを行い、現状分析に努めて参りました。今後は、硬直化した財政構造の改善を図るとともに財政再建団体への転落を回避するため、「自主財源の確保」、「人件費の削減」及び「事務事業の見直し」の3つの柱を掲げ、財政改善に向けて取り組んで参る所存であります。

平成16年度相馬市一般会計当初予算の編成にあたりましては、歳入面では、市税及び地方交付税は現時点での見込額を全額計上するとともに、国・県補助事業の積極的な運用に努めながら、地方財政対策の一つである臨時財政対策債などの市債の活用を図り、さらに不足する財源は財政調整基金等を取り崩し、充当いたしました。
歳出面では、歳入の厳しい状況や、公債費及び扶助費等の義務的経費が増加する中で、新たな施策に伴う経費の捻出は困難なことから、物件費、補助金、維持補修費及び普通建設事業費は前年度当初予算の90パーセント以内の予算要求枠を設けるとともに、全職員が、担当する各職務に関して、常に費用対効果を意識しながら、限られた財源の中で最大限の行政効果を上げるべく、重点的かつ効率的な配分に努めたところであります。
具体的には、
ISO14001及び財務会計システムの積極的な活用により事務事業を見直すこと。
生涯教育及び林業振興について、NPOやボランティア団体との協力・連携を図ること。
市単独補助金については当該交付団体の運営状況を精査し、公益性、公平性また必要性を徹底分析して補助金の整理合理化を検討し、終期を設定すること。
市が負担金等を交付している一部事務組合及び第三セクターの経営健全化を促進すること。
公共施設の総合的な利活用を検討・実施すること。
「広報そうま」や市ホームページを最大限に活用することによる市民の行政情報の共有化を図ること。
税等の収納率向上や遊休市有地の処分などにより、自主財源を確保すること。
などが重要な課題と考えております。
さらに平成16年度は、職員数の削減を図ることに加え、職員の本俸を級別に、3パーセント、5パーセント、7パーセントと段階的に削減し、加えて寒冷地手当の廃止、管理職手当の30パーセント削減など各種手当等の削減、旅費の見直しによる半日当の廃止などを行ったところであります。
また、平成15年4月から実施している市長給料の20パーセントの削減、助役・収入役・教育長の給料の10パーセント削減期間をさらに延長することとしたほか、市長交際費を平成15年度対比で33パーセント減額することとし、各種審議会等の委員報酬及び報償費の各種謝礼等についても減額させていただきました。
以上、このような方針のもとで編成しました平成16年度相馬市一般会計予算案の総額は12,976百万円となり、前年度当初予算と比較して2百万円の減となりました。
しかし、前年度の当初予算総額には、編成時における財源不足のために補正対応を余儀なくされていた積み残し額・約7億円が含まれていなかったことを考慮いたしますと、議員各位には、新年度予算案が如何に相当額の切り詰めを行って提案されたものであるかを御理解いただけるものと存じます。
そのような中で編成した主な重点事業を申し上げますと、ソフト面では市制施行50周年記念事業、道の駅体験実習館運営事業、小学校外国語指導事業、学力強化推進事業、相馬市史編纂事業、継続事業ではISO14001認証事業、ふるさと相馬ブランド化推進事業、青少年体験活動ボランティア推進事業、音楽の郷づくり推進事業、芸術文化奨励事業などの一方、ハード面では、向陽中学校屋内体育館改築事業、常磐自動車道相馬南地区工事負担金、磯部中学校給食室改修事業、みちづくり交付金事業、地方特定道路整備事業、市道新設改良事業、公共下水道事業、農業集落排水事業などについて予算措置したところであります。
以上、本市の新年度当初予算の編成作業は、近年になく誠に厳しいものがありましたが、このような財政状況に関する情報は、市民の皆様と共有しながら認識をさらに深めていかなければならないと考えております。また、行政サービスの低下を招くことになる財政再建団体への転落は、何よりも優先して回避する必要があり、職員はもとより相馬市民と一体となって困難な局面を打開する努力をしながら、予算の執行に努めて参る所存であります。

続いて、市制施行50周年記念事業について申し上げます。
このたびの節目にあたり、これまで相馬市が歩んできた半世紀を振り返りながら未来に向けて翔ばたく“そうま”を築くためのイベント企画運営機関として、市内関係団体の参加のもと『相馬市市制施行50周年記念行事実行委員会』で検討を進めて参りましたが、次の3つの事業を実施することにいたしました。
1つ目といたしまして、市内の山や都市公園などへの記念植林を実施いたします。 2つ目は、相馬市の新しい時代のまちづくりを議題に、相馬の未来を大いに語り提言いただくための討論会を開催いたします。
3つ目は、市制が施行された昭和29年当時からの写真や生活関連のモノなどを持ち寄り、多くの市民の皆様とともに半世紀の歴史や文化を振り返る『相馬市誕生』展示会を開催したいと考えております。
今後は、庁内各関係課を中心に市内各種団体の御協力をいただきながら各運営委員会で内容等を協議・検討し、平成16年度内に3つの記念行事を実施したいと考えておりますが、記念式典につきましては、必要経費に対する財政的な配慮から、市内各層の多くの市民が参加しふれあうことのできる記念行事を厳選したため、過日開催した庁議を経て中止いたすことにしましたので、御報告申し上げます。

続いて、本年4月からの行政組織機構の改編・再編による新しい行政組織がスタートするにあたり、行政機関等の移転、配置替えについて申し上げます。
御承知のとおり、本庁舎内は行政事務事業の煩雑に伴って年々狭隘化が進み、職場スペースに余裕がない状態が続いており、駅前の振興ビルを含めた公共施設の有効な利活用を図る必要性を強く感じてきております。そこで、さらなる行政サービスの向上と多様化・高度化する市民ニーズに的確に対応できる体制づくりに寄与すべく、新年度から一部事務所等の移転配置替えを実施したいと考えております。
昨年12月の定例会において御説明させていただきました行政機構改革に関連いたしまして、このほど図書館を振興ビルの二階に移転することにし、地域の読書文化育成のため機能の充実を図りたいと考えております。
新たな図書館は、バーコードをつかった図書館システムを導入して事務の効率化を図り、一度の貸し出し冊数や貸し出し期間を拡大するほか、リラックスした雰囲気の中で読書のできる「ブラウジングコーナー」を設置し、閲覧スペースや子どもの部屋などは従来以上の広いスペースを確保するなど、利用者サービスの充実向上に努めたところであります。開館日につきましても、年末年始と毎月末日及び一月の館内整理期間を除いて毎日開館することにし、開館時間は午前10時で、土曜日、日曜日及び祝祭日は午後5時まで、月曜日から金曜日は午後7時まで時間を延長したいと考えております。
去る3月1日から臨時閉館しているため、利用者には大変ご迷惑をおかけいたしておりますが、来る4月21日のオープンを目指し、庁内を含めた職員も総動員いたしまして移転の準備を進めているところでありますので、御報告申し上げます。
移転後の旧図書館跡の利活用につきましては、社会教育と生涯学習の中核的施設として中央公民館を配置することとし、1階の一部を事務室に、残りのスペースは公民館活動等のための多目的スペースとして有効活用を図りたいと考えております。 また、市民会館に併設していた中央公民館事務所官舎につきましては、分庁舎として位置付け、1階には市民会館と農業委員会事務局を、2階の西会議室には選挙管理委員会事務局を移し、残る会議室は庁舎会議室として使用いたします。これら本庁舎外の移動作業は3月末の週末に実施し、週明けの29日から移転先での業務を開始する予定であります。
一方、市民の多様化する学習ニーズに対応し、生涯にわたる学習活動の充実と市民文化の振興を図るため、無償譲渡されている地域振興整備公団相馬開発所の建物を活用し、相馬市生涯学習会館を開設いたしますので、御報告申し上げます。
本会館には、市民が文化活動の展示発表をする場として展示ルームを設けたいと考えており、関係機関団体と協議を進めながら、生涯学習推進の新たな基地として整備活用して参りたいと考えております。
なお、機構改革の実施に伴う本庁舎内における配置の変更のため、各部のフロアーの一部見直しをいたすことになりますので、この際、御報告申し上げます。
2階フロアーは、中央通路を境に、北側は建設部、南側は産業部とし、3階フロアーは、北側が総務部、南側が企画政策部とする配置を予定しております。これら移転作業につきましては、電話工事等の都合及び通常業務に支障を来たさぬよう4月第1週の週末に行い、翌週の5日から新しい配置での業務を開始したいと考えております。

ここで、新たな「駅前行政サービスコーナー」の開設について申し上げます。
行政サービスの向上と市民ニーズに迅速に対応するため、来る4月21日から相馬市駅前の振興ビル1階に「駅前行政サービスコーナー」を開設し、住民票や所得証明等の各種証明書を交付する業務を始めたいと考えております。
業務時間等につきましては、市民生活の利便性に配慮し、平日は午前9時から午後7時まで、土曜日、日曜日及び祝日は午前9時から午後5時までとなり、年末年始を除き、毎日業務を行います。
ただし、平日の夜間並びに土曜日、日曜日及び祝日等については「予約制」とし、事前の電話予約等により本コーナーで証明書等の交付をすることになります。
なお、「駅前行政サービスコーナー」の開設に伴い、現在、本庁舎で行っておりました週3回の窓口延長業務を廃止いたしますので、併せて御報告申し上げます。

続いて、福祉行政について申し上げます。
高齢者福祉施策といたしましては、少子高齢社会による人口構造の変化や地域連帯の希薄化など、社会環境が大きく変化している中にあって、平成15年度を初年度とする第2期高齢者保健福祉計画に掲げている事業の推進に努めているところであります。
閉じこもりがちな高齢者が健康で自立した在宅生活を送っていただくための「高齢者の生きがいと健康づくり推進事業」の登録者数は180人を数え、一人暮しの高齢者が安心して過ごせるための緊急通報システムの利用者は113人となるなど、高齢者の各サービスの利用者は年々増加傾向にあり、引き続き各事業の啓蒙普及に努めながら内容の充実を図って参りたいと考えております。
また、「住みよい福祉のまちづくり事業」を推進するため、福島県高齢社会対策推進事業を活用し、高齢者の交流並びに玉野小中学校生との世代間交流の拠点として、玉野公民館の手すり・スロープ等のバリアフリーの整備を予定しており、かかる経費を予算案に計上いたしました。
一方、平成12年4月にスタートした介護保険事業は、平成15年度を初年度とする第2期介護保険事業計画のもと、さらなるサービス基盤の整備に鋭意努めているところであります。
要介護認定者数は、2月1日現在で1,214名を数え、この内、居宅サービス利用者が765名、施設サービス利用者が286名で、要介護認定者の87パーセントにあたる1,051名が介護サービスを利用している状況にあります。また、昨年八月には、入所定員百床の介護老人保健施設の開設による介護サービスの充実が図られ、平成十五年度の介護保険給付費は、事業計画の九割程度となる見込みで、認定者及び給付費ともに概ね順調に推移しており、市といたしましても現在の第2期介護保険事業計画の適正なる進行管理と、制度の円滑な運営に努めて参りたいと考えております。
次に、児童福祉行政について申し上げます。
児童手当につきましては、家庭生活の安定と次代を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的に支給されて参りましたが、児童手当法の改正に伴って児童手当の支給対象年齢が未就学児から小学校3年生までに引き上げられることになりました。平成16年4月1日から適用され、支給対象児童数は940名増を見込み、かかる経費を予算案に計上いたしております。
また、相馬市児童育成計画「そうま子どもプラン21」の実施計画にあたる「地域行動計画」の策定につきましては、次世代育成支援対策推進法の制定によって子育て施策等の目標指標を定めることが義務付けられたことから、未就学児及び小学生の保護者2,200名を対象としたアンケート調査を実施し、「地域行動計画」の策定に反映させて参りたいと考えております。
次に、障がい者福祉施設整備について申し上げます。
現在、障がい者の社会復帰の促進を図るための施設といたしまして、精神障がい者の小規模作業所が2カ所、知的障がい者の小規模作業所1カ所が運営されているほか、さらに本年10月には身体障がい者療護施設である「ふきのとう苑」が開所されることになるなど、地域社会の中で安心して暮らせる体制の充実に向け、支援して参る所存であります。

続いて、企業立地関係について申し上げます。
相馬中核工業団地東地区で操業を目指す株式会社東北三之橋と相馬市との間で、去る1月21日に「工場立地に関する基本協定書」の調印式を行いました。
相馬工場に対する総投資額は約8億円で、敷地面積27,553平方メートルに第1期分・約3,000平方メートルの工場建設が本年6月に着工され、11月の操業開始が予定されております。主に自動車部品のボルト・ネジつき部品等の一貫生産体制を目指しており、当初の雇用予定人員は、約25名となっております。
県内各地での企業誘致を取り巻く環境が厳しい中にありまして、本市への新たな雇用創出の朗報は誠に喜ばしい限りでありますが、現在、相馬中核工業団地東地区に31ヘクタール、西地区に24ヘクタールの合計55ヘクタールの未分譲地を抱えている状況を鑑み、さらに関係機関と連携を強化し、積極的な誘致活動を展開して参りたいと考えております。  

続いて、重要港湾相馬港について申し上げます。
昭和49年4月に重要港湾に指定されて以来、今日までに1号ふ頭に公共ふ頭8バース、2号ふ頭に公共ふ頭4バース、5号ふ頭に石炭専用ふ頭2バース・ドルフィン1バースの合計15バースが供用開始され、市民に親しまれる 「親水性のある港」を目指しております。
現在、3号ふ頭及び沖防波堤の整備が着々と進められ、平成15年における相馬港の取り扱い貨物量は約556万トンで年々微増を続けており、今後も、相双地方、県北地方及び宮城・山形両県南部地域を含めた広域的な物資流通の拠点港として積極的にポートセールスを実施し、外貿コンテナ航路の開設を目指すなど、一層の利活用が図られるよう努力して参りたいと考えております。
なお、近年、一般車両の進入及び駐停車による荷役業務の障害や港内におけるゴミの不法投棄防止・SOLAS条約の発効に向けた国際港における保安レベルを確保すること等により、本年4月から一般車両の立ち入りが二十四時間規制することになりますので、御報告申し上げます。

続いて、道の駅「そうま」の事業について申し上げます。
本年度中の完成を予定している体験実習館は、新年度早々にオープンを予定しており、その運営方法は、当面、市が運営を行い、相馬の歴史文化を紹介するPRコーナーをはじめ、陣羽織り試着等の伝統芸能体験コーナー、郷土料理の試食・体験実習コーナー及びイベントの開催を計画中であります。
昨年の道の駅「そうま」のオープンから早1年が経過し、これまで約124万人の方々に御利用いただいておりますが、道路休憩施設と物産館に加えた体験実習館の完成により、計画していた3施設の一体化が図られることになり、相馬地方の物産観光発信の最たる拠点として、地域振興に大きく寄与できるよう望むものであります。

続いて、農政関係について申し上げます。
平成16年度は、平成14年12月に国が決定した「米政策改革大綱」の下、「米づくりの本来あるべき姿」を実現することを目的にした米政策改革のスタートの年であります。新たな生産調整システムといたしまして、これまでの耕作面積の配分方式から生産数量を調整する方式に変更することで生産調整の実効性を高める内容となっており、本市における水稲生産目標数量は、11,233.191トンに決定されました。また、水稲生産調整目標面積に換算いたしますと、昨年より約181ヘクタール少ない882.548ヘクタールであり、転作率は、昨年を6.1パーセント下回る28.4パーセントで緩和の傾向にあります。
また、新年度からは、これまでの「とも補償」及び「水田農業経営確立対策」の全国一律助成制度が廃止となり、新たに各地域で策定する「地域水田農業ビジョン」に基づいて産地を育成する地域を支援するための「産地づくり対策」が創設されることになりました。本市には、114,868千円の交付金配分が決定し、現在は、農業者及び農業者団体を主体に市及び農業関係団体等で組織する地域水田農業ビジョン作成専門部会で十分検討を重ねており、新たなる水田農業の活性化を目指して参りたいと考えております。
次に、相馬市土地改良区と相馬北部土地改良区の合併について御報告申し上げます。
昨今、農業農村が直面している様々な問題は、両土地改良区の組織基盤の弱体化と財政基盤の脆弱をまねき、本市にある土地改良区組織の運営にも大きな影響を及ぼして参りました。
そのような状況から、農業農村整備事業の計画的な推進を図りながら土地改良区の経営基盤を強化し、両土地改良区を構成する組合員の農業経営基盤の安定と生活向上に寄与させるため、昨年の3月13日に予備契約を締結し、本年4月1日に「そうま土地改良区」として合併設立できる運びとなりましたので、御報告申し上げます。
なお、この合併により松ヶ房ダム関連の幹線水路の施設とほ場整備地区及び用排水路の管理体制が一元化され、同一水系に基づく適正な維持管理が可能となることから、効率的な土地改良区の運営基盤のさらなる安定に寄与できるものと確信いたしております。
次に、森林整備のための育成支援活動について申し上げます。
相馬市は、美しい海と山に囲まれ、万葉の時代から小松島と称され、四季折々に、その表情を変える県立自然公園松川浦を擁しており、この山紫水明の里をいつまでも後世に残していくことは、現代に生きる我々の責務であります。
松川浦に注ぐ河川などは豊かな阿武隈山系の水の流れによって育まれ、その上流の森は汚染のない美しい自然環境を守っております。しかしながら、近年は林業従事者が減少し、中山間地では廃棄物処分場の計画が見え隠れするなど、本来の山の美しさやきれいな飲料水を保つことが困難となっており、美しい自然環境を後世に残さなければならない我々にとって、喫緊の課題となっております。
そこで、市民ボランティアやNPO等による植林や森林の手入れ等の活動を通して、美しい自然の保全に寄与させるとともに、21世紀を担う若い世代にも森の素晴らしさ、海の恵み、環境を守り育てる大切さの体験、グリーンツーリズムによる都市住民との交流など、自然環境を守る体制づくりの構築に努めて参りたいと考えております。  

続いて、環境問題に関連しまして、「水資源保全検討委員会」の設置について御報告申し上げます。
先般、市民の主要な上水道水源である宇多川上流におきまして、二カ所の廃棄物処分場建設計画の話があり、行政と市民が互いに補完し合いながらこの建設を阻止し、喫緊に水環境を守る運動を展開するため、去る2月5日に「水資源保全検討委員会」を設置したところであります。
市内各界各層から推薦いただいた76名で構成され、基本方針として処分場計画を広く市民に知らせるための広報活動や講演会の開催を通して問題点の調査研究を行うとともに、反対の意思表示を広く関係方面に表明していくことなどを決定しており、さらに全員一致をもって廃棄物処理場建設反対の決議文を採択したところであります。現在、基本方針に基づいた具体的対策にかかる各専門部会が設置され、本委員会の活動の輪が大きく広がる気配を見せており、これを積極的に支援して参りたいと考えております。
なお、本検討委員会の方針を受けて、飲み水の水源を保全する「水道水源保護条例」を本議会に御提案申し上げたところであります。

続いて、商工労政行政について申し上げます。
世界経済の順調な回復を追い風に、日本経済がデフレを乗り越えて成長する手がかりをつかみ始めたとは言え、市内をはじめ地方の商工業を取り巻く環境は、依然としてその回復を実感するまでに至っていない状況にあります。新年度も引き続き、中小企業者への制度資金の融資と信用保証料の補助、融資のための預託など、経営安定化に資する各種融資制度の周知を図りながら、商工業振興のための支援を講じて参りたいと考えております。
相馬管内における雇用情勢につきましては、昨年12月末の一般職業紹介状況における有効求人倍率が0.63倍と前年同月の0.43倍を若干上向く状況となっているものの、市内の今春高校卒業予定者の就職内定状況は62パーセントで、就職希望者116名中、44名が未決定であるという大変厳しい状況にあります。各行政機関や市内の高校などで構成する相馬市労働問題懇談会を開催して雇用情報の交換収集に努めるとともに、私自ら市内各事業所を訪問して新規雇用の要請活動を行ったところであり、雇用の拡大に全力で取り組んで参る所存であります。  

続いて、観光行政について申し上げます。
松川浦観光旅館組合の松葉ガニまつりと和田観光苺組合によるイチゴ狩りがスタートし、今月21日には松川浦開き、潮干狩りの解禁など、本市の春の観光シーズンが本格化する時期を迎え、4月から観光物産課を設置し、市の観光振興と物産振興を一体的に推進したいと考えております。 
相馬市観光協会をはじめ各関係機関団体とともに四季を通した通年滞在型観光都市を目指し、観光キャラバンやホームページを活用したPRをさらに積極的に進めて参りたいと考えております。そして、道の駅「そうま」を相馬地方の広域観光の拠点とすべく、文化伝統である神楽舞い、野馬追関係の展示や郷土料理づくりの体験などを通して、本市の観光物産の情報発信基地にして参る所存であります。
なお、去る平成10年に「松川浦と大橋」を題材にした写真コンテストを実施し、その成果を観光行政の推進に広く活用して参りましたが、本年9月に、「ふるさと相馬」の再認識と全国に誇れる良質な観光・まつり・行事等を題材にした新たな「ふるさと相馬」再発見写真コンテストを開催することにいたしましたので、御報告申し上げます。

続いて、高速道路関係について御報告申し上げます。
道路関係四公団民営化推進委員会の最終報告から、建設コストの縮減等に及ぶ議論がようやく決着し、昨年12月25日、国土開発幹線自動車道建設会議が開催されました。常磐自動車道富岡〜新地間約55キロメートルにつきましては、費用対便益・採算性・社会的外部効果について比較的高い評価をいただき、従来通り日本道路公団から引継ぐ新民営化会社が有料道路方式で整備することが決定したところであります。
さて、常磐自動車道相馬南地区・約5キロメートル区間の進捗状況でありますが、昨年12月8日に相馬地方初の工事発注となる坪田地区の町場川橋橋台などの下部工事及び市道と交差する5箇所のボックスカルバート工事の入札が執行され、平成17年9月の完了を予定しており、また、常磐自動車道相馬北地区・約7キロメートルの区間につきましては、昨年11月から行っていた用地幅杭設置が先月で完了し、現在は、河川にかかる橋梁等の土質調査を行っております。
一方、一般国道115号「阿武隈東道路」約10.7キロメートルにつきましては、4車線の自動車専用道路の計画が早期整備とコスト縮減を図る観点から2車線に変更になり、環境影響評価法に基づくアセス対象事業に該当しなくなったため、環境アセスに準じた「環境調査書」としてとりまとめられ、この縦覧が3月12日から3月25日の2週間にわたり、庁内高速道路推進室において実施いたします。また、環境影響評価に関する地元説明会が玉野地区と山上地区において来る3月15日と18日に行われる予定でありますので、併せて御報告申し上げます。

続いて、市道等にかかる道路行政について申し上げます。
最も根幹的な社会資本で、地域の生活基盤の確保と市民生活を支える基礎的な施設である道路につきましては、鋭意その整備促進に努めてきたところであり、引き続き、国庫補助事業や交付金事業などを活用し、計画的な幹線道路網の整備に努めるとともに、限られた予算の範囲内において、市単独事業による道路改良舗装を進めて参りたいと考えております。
一方、国・県等で施行されております一般国道六号相馬バイパス整備事業につきましては、平成17年度の供用開始を予定している第2工区(主要地方道原町海老相馬線〜主要地方道相馬亘理線)延長約3,000メートルの主要構造物である宇多川橋が夏頃に完成の予定となっており、小泉川橋は秋頃の完成予定となっております。また、仮設道路で迂回の協力をいただいておりました市道百槻和田線・交差部のボックスカルバート躯体工事についても年度内に完成予定で、本年6月には迂回道路の復旧及び舗装工事の完成が見込まれており、いよいよ同区間の供用開始を間近にした土工事がピークを迎えることになります。
平成19年度の供用開始を予定している第1工区(国道6号の起点〜主要地方道原町海老相馬線)延長1,800メートルにつきましては、用地買収作業と併行し、既に馬場野地区でボックスカルバート等の改良工事が開始されており、新年度は梅川橋等の下部工事、主要地方道原町海老相馬線との交差部工事が発注予定と聞いております。
また、県事業として施工中の坪ヶ迫・寺前線につきましては、市道・駅前黒木線との交差部改良に着手されるなど、平成十七年度の供用開始に向けて最終段階を迎えております。
なお、河川改修事業につきましては、現在、宇多川、地蔵川、梅川を広域並びに統合河川改修事業として施工中であり、特に平成十三年度から施行している宇多川改修事業につきましては、宇多川橋の架け替え工事と併せて平成十六年度完了予定となっておりますので、併せて御報告申し上げます。

続いて、公共下水道事業について申し上げます。
本事業につきましては、平成16年度末までの下水道整備人口が約21,100人に達し、普及率は約54パーセントとなる見込みであり、新年度は、程田地区の幹線管渠延伸と刈敷田、札ノ沢及び中野字北川原の住宅連担地域を重点的に進めて参りたいと考えております。
また、平成7年度に策定した公共下水道事業計画の変更手続きについてでありますが、これまでの全体計画面積を2,280ヘクタールから約1,750ヘクタールに、認可計画面積を1,338ヘクタールから約920ヘクタールに、全体計画人口を67,300人から約26,000人に、認可計画人口を35,000人から約23,000人にそれぞれ縮小する計画変更を考えております。上位計画である全県域下水道化構想や将来計画人口、さらには農業集落排水事業並びに合併処理浄化槽の状況との整合性を図りながら、管径・汚水量を含めた見直しを関係機関と協議を進めているところであり、早急に計画の変更申請を実施したいと考えております。

続いて、教育行政について申し上げます。
少子高齢社会の進行と家庭・地域の教育力の低下、科学技術の進歩と地球環境問題の深刻化、さらに国民意識の変容が急速に進む状況下にあり、学校教育の果たすべき役割を考えたとき、基礎基本を徹底し、「確かな学力」を育み、社会の変化に対応できる「生きる力」の育成を進めることがますます重要になってきております。 そのような中で、本市では教育改革の一層の推進を目指し、「教育・文化の充実と人づくり」を最重要課題と位置付け、具体的なスケジュールを明らかにし、子どもたちが一人の人間として自立できる教育環境を整えてまいりたいと考えております。 はじめに、学校教育につきましては、「学校図書館の図書の整備と読書指導の充実」「習熟の程度に応じた学習のための支援」などの重点施策を掲げて積極的に推進してきており、特に、学力低下の懸念が指摘される中、学力向上の取り組みが積極的に展開されるよう「学力向上フロンティア宣言」を行い、「体験学習や問題解決的な学習の充実」「小中一貫した指導」など、子ども一人一人に確かな学力が育まれる努力をしてまいりました。
その成果を検証するため、1月の下旬に小学校5年生と中学校2年生を対象に県下一斉の学力テストを、2月下旬にはそれ以外の小学校1年生から中学校3年生を対象に市単独で学力テストを実施したところであり、その結果を踏まえて指導の成果と課題を明確にし、新年度の教育計画に反映させるよう指導してまいりたいと考えております。
次に、子どもの安全管理について申し上げます。
9月下旬の「声かけ事案」以降、本市では子どもの生命に関わる事件は発生しておりませんが、全国的には、児童生徒の安全を脅かす犯罪や事故等が多発しております。また、少年非行や問題行動が、粗暴化、低年齢化、広域化している現状を踏まえ、教育委員会では、児童生徒の安全の確保と非行の防止を図るために、「学校・警察児童生徒健全育成対策推進制度」に関する協定書を去る1月26日に相馬警察署と締結いたしました。
しかし、子どもたちの安全確保のためには学校と地域の連携が不可欠であり、「地域の子どもは地域で守る」を合い言葉に、市民の皆様の尚一層の御協力をお願いしたいと考えております。
次に、教職員の不祥事問題への対応について申し上げます。
これまで、再三再四、市内の教職員一人一人に高い倫理観と自律心の保持、自覚を強く求めているところですが、全県的には新聞等でも報道されましたように教職員による不祥事が依然として後を絶たない現状にあり、大変遺憾に思っているところであります。
このような事態を厳粛に受け止め、本市より不祥事を出さないための手だてについて主体的に協議するため、教育委員会に服務倫理対策委員会を設置いたしました。各学校においては服務倫理委員会を設置するよう指導を行い、服務規律の厳正化、不祥事防止体制の整備等に危機意識を持って取り組み、市民の負託に応え、本市教育に対する信頼を取り戻すために全力を挙げているところでありますので、御報告申し上げます。
次に、学校教育施設の整備について申し上げます。
向陽中学校改築事業につきましては、昨年7月の校舎完成に続いてさらなる教育施設の整備を図るため、屋内運動場の建設を二年間の継続事業で実施したいと考えておりますが、新年度における国の認可内容が不確定であるため、かかる経費は単年度事業で想定した予算で計上させていただきました。新たな屋内運動場は、現校庭の東側に鉄筋コンクリート造り約1,300平方メートルの規模で計画しておりますので、併せて御報告申し上げます。

続いて、生涯学習について申し上げます。
昨今、市民の生涯学習に対する関心と意欲は、年々増える傾向にあり、「いつでも、どこでも、なんでも学習できる社会」、いわゆる生涯学習社会を構築する基盤整備が強く求められております。
引き続き「生涯学習だより」や「生涯学習ガイドブック」の発行を通してわかりやすい情報の提供に努めるとともに、「相馬市まちづくり出前講座」による多種多様な学習機会を提供し、選択できる学習環境を整えて参りたいと考えており、さらに、各公民館などで学んだ様々な学習の成果が活かせる環境づくりを推進し、生涯学習ボランティア活動の活性化を図るほか、15年度からスタートした青少年の体験活動・ボランティア活動を総合的に推進するための支援センター機能をより充実させて参る所存であります。
また、「福祉と文化の都市そうま」建設という観点から、市民生活の中に音楽による安らぎと潤いのある街づくりを目指し、15年度にスタートしました音楽の郷づくり事業でありますが、芸術文化の振興育成と豊かな感性を育む場としてさらに拡充して参りたいと考えております。
次に、文化財の保存整備等について申し上げます。
これまで、市内関係機関並びに関係者各位の御支援と御協力をいただきながら、市内に散在する新たな文化財などの諸資料の把握に努めておりますが、昨今の新資料の増加とともに新たな市史の編さんを望む声が日増しに大きくなってきていることから、これに着手し、将来に向けた市勢進展の精神的基盤を築いて参りたいと考えております。
なお、平成14年度から県の補助を受け修復を進めて参りました県指定文化財涼ケ岡八幡神社の屋根の葺き替えにつきましては、本年8月に完成予定でありますので、併せて御報告申し上げます。
次にスポーツ振興関係について申し上げます。
昨年4月体育振興室からスポーツ振興課に昇格させ、各種スポーツの振興並びに市内スポーツ施設の適正な管理運営に努めておりますが、このたびの行政機構改革に伴い、今まで商工観光課の業務でありました長友グラウンド、二ノ丸球場及び東グラウンドの使用申込受付業務をスポーツ振興課に移行することにし、スポーツ施設関係の受付業務を一元化することで利用者の利便性を図り、市民のスポーツへの参加促進に努めて参る所存であります。
なお、今月より相馬市のホームページ上において、スポーツ施設の利用・空き状況を掲載し、市民への情報提供を行って施設の有効活用を図っているところでありますので、御報告申し上げます。

ここで、職員の懲戒処分について御報告申し上げます。
55歳の男性職員が、平成14年5月から15年6月までの間の出勤簿を不正改ざんし、無断欠勤9日と無断早退5日を行い、その間不正に給与を受給していたことが発覚いたしました。
市といたしましては、直ちに内部調査を実施するとともに、公金の支出に関わる問題であることから市監査委員に監査の要求を行い、その事実関係について調査・検証いただきました。
監査の報告を受けて懲戒審査会を開き、答申を受けた結果、当該職員に対し、地方公務員法第29条第1項第1号及び同項第2号並びに相馬市職員の懲戒の手続及び効果に関する条例の規定に基づき、停職1ヶ月の処分をしたほか、相馬市職員の懲戒処分の公表に関する規定の第六条により議会及び報道機関に対して報告したところであります。
今回の不祥事につきましては、公務員としてあるまじき行為であり、誠に遺憾とするものであります。今後、再びこのようなことのないよう再発防止策を行ったところであり、全職員が一丸となって服務の徹底を図って参りたいと考えております。

終わりに、住民基本台帳カードの不正取得事件について御報告申し上げます。
相馬市民であった男性の名を騙って、住民基本台帳カードを不正入手する事件が発生いたしました。本市といたしましては、現地調査後、直ちに告発状を相馬警察署へ提出し、再発防止策といたしまして従来の方法に加え、健康保険証等の呈示や家族構成の聞取りなど、本人確認の方法を強化する措置を講じたところであります。
なお、国・県との連携のもと、本人確認を含めた安全対策について万全を期して参る所存であります。

以上、新年度に向けた所信の一端並びに諸般の情勢等について申し上げましたが、これらが推進にあたりましては、全職員が一丸となって市民の創意と英知を結集し、個性あふれる豊かな地域社会の建設に取り組んで参りますので、市議会をはじめ、市民皆様方の御支援・御協力を心からお願い申し上げます。

 

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