議会あいさつ

平成15年第1回相馬市議会3月定例会

2003-03-03

 

本日、平成15年第1回相馬市議会三月定例会を招集いたしましたところ、議員各位には御多忙中にもかかわらず御出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。
平成15年度当初予算をはじめとする重要な諸議案を御提案、御審議をいただくに先立ち、新年度に取り組む所信の一端並びに諸般の情勢等について申し上げ、議員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

さて私こと、昨年1月19日に第13代相馬市長に就任し、早1年が経過いたしました。
この間、行政の執行者という立場で、議員のみな様、職員並びに市民の方々と議論をし、その中において行政がこうあるべきだとする私なりの考え方をリファインしながら、今後の相馬市のあるべき姿について考えて参りました。私は、こうした相互理解こそが、行政目的を一歩ずつ前進させる手段であると考えており、次年度以降の相馬市政発展のために、さらに未来に向かって努力をしていかなければならないものと、思いを新たにしているところであります。

就任当初から、安全で安心して暮らせる社会づくりを目指すために、将来のための地域振興策を求めて参りましたが、道路関係四公団民営化推進委員会の発足にはじまる憂慮すべき事態と重なり、各方面での差し迫った高速道路の議論に自ら突き進まなければならない1年でありました。
昨年12月の本推進委員会の最終意見書では、料金収入を新会社の安定経営のみに優先させて採 算性の低い道路は造らないなど、都市と地方の共生のための高速交通ネットワークの形成を否定し、あたかも日本という国から地方を切り離して考えているとしか思えない内容が示されました。しかし、こうした高速道路の是非をめぐる議論の経過において、改めて生活の安全、安心といった住民福祉の基本に係る討論の機会をいただき、日本という国のあり方や地方の置かれている立場など、多方面にわたりその将来像を語り合える多くの知人をつくることができました。このことは、今後のまちづくりを進めるうえで、大きな財産になるかと考えるものであります。

さて、相馬市のグランドデザインを描いていくために、職員自らが考え、総力をもって地域づくりを進めてゆく必要があります。しかしながら、日本経済は出口のない不況の中で低迷に仰いでおり、本市においても同様であります。そうした中で、厳しい財政状況に対しましては具体的数値を基にして常に検証を行うなど、その現実を直視しなければならない時期を迎えており、相馬市役所が一丸となって新しい時代の相馬市をつくるため、少しずつではありますが、努力を積み重ねているところであります。
昨年は、新たな取り組みとしての行財政改革のスタートに立った1年でもあり、高速道路建設における費用対効果の検証と同様に、本市においても投資に対する行政効果をこれまで以上に勘案せざるを得ない時代を迎えております。このような現下の世相を踏まえ、私なりに種々の新たな取り組みを行って参りました。
・ホームページのリニューアルによるIT技術活用の推進。
・相馬市長メールマガジンの発行による情報伝達の推進。
・職員自らが国際化時代において環境問題を考え、地域に対する環境負荷をできるだけ軽減するためのISO14001取得への取り組み。
・市役所業務時間の延長による行政サービスの向上。
・窓口のローカウンター設置によるお年寄りや障害者に対する接客の際の利便性向上。
・年末年始におけるごみ収集日の拡大。
・行財政改革の一環として、外部委託業務の見直しと同時に職員自らが企画することによる事業の効率化。 
・各種イベントに対する費用対効果の検証。
・ 接遇教育の強化による親しみやすい市役所実現のための努力、など。
これら一連の改革改善を通して市民とともに考える行政を目指し、あるいは市役所内においては職員の潜在能力をより以上に引き出し、創意工夫と努力を積み重ねることによって、より市民の期待に応えられる行政のあり方を模索して参りました。これらの施策に対する急激な効果の実現を早期に期待することはできないものの、着実にその成果が上がっているものと確信しているところであります。

私自身、国土交通省の道路並びに港湾行政当局との議論を通して、相馬地域のハード面での整備をどのような基本理念に基づいて推進してゆくべきかを考える機会を持つことができ、誠に幸甚であったと考えております。また企業誘致につきましても、これを地域振興の礎、すなわち雇用創出の担い手である企業と相馬市との共存を図ることと考え、誘致あるいは誘致予定企業に対して相互理解を深めることを目標に、これまで交渉を重ねて参りました。
道の駅をはじめとする道路関連施設や港湾関連施設、さらに運動公園の整備など、これらのハード面での整備促進に加え、新しい学習体系の実現に代表される本市の中初等教育の充実や歴史伝統文化に対する啓蒙、人づくりをはじめとする生涯学習の推進、地域防災組織の達成率の向上などによる住民参加の推進、各種委員会等における女性委員の登用推進等により開かれた行政の実現、また庁内においてはITリテラシーの向上による事務の効率化を図り、さらに人員配置の見直しによる効率的な行政運営の推進を図ることなど、将来を見据えた施策に意を用いて参りました。
そして、その効果はいずれ市民のみな様や職員自らの力となって、今後の相馬市発展の礎になるものと確信しております。

今後は、この1年間の努力の成果を踏まえながら、地方分権時代にあって地域間競争に勝ち抜き、個性ある豊かな地域社会を創造するために市民と市役所がともに知恵を出し合っていきたいと考えております。
市民との連携を深めるにあたりましては、ボランティア団体の育成、特にNPO活動の支援を通した市民運動の活性化を促す必要があると考えております。また、市民の行政への積極的な参加を求める際には、情報開示と、説明責任を明確にしてゆくことが大切なことと考えております。ちなみに、近く市長交際費の全面開示を行って、広く市民のみな様の評価をいただきながら、開かれた市役所づくりに努めて参りたいと考えております。
さらに、庁内においては、現下の地方分権推進というテーマに対し、地方自らが政策を企画して実現できる能力を向上させるため、職員のIT能力向上により情報収集能力を高め、多様化する行政ニーズに適切に対応できる資質の向上を図って参ります。

以上、活力と夢があふれる新世紀そうまの実現に向け、全職員一丸となって各施策の執行に努めて参りたいと存じますので、議員各位の一層の御支援と御協力をお願い申し上げます。

ここで、新年度に向けて当面する市政の諸課題と主なる事業等について申し上げます。

はじめに、平成15年度相馬市一般会計当初予算の概要について申し上げます。
政府の「平成15年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」によりますと、昨年初めからの輸出の増加や生産の持ち直しの動き等により、景気に一部持ち直しの動きが見られたものの、その後の世界経済の先行きへの懸念や国際的な株価低迷の影響等を背景としたマイナス要因が働き、ほぼ横ばいで推移することが見込まれております。さらには、個人消費の低迷、生産活動や雇用環境の厳しい状況の継続、そして国の構造改革や不良債権処理など、引き続き多くの不確定要因もあり、本市を取り巻く経済情勢は一段と厳しさを増しております。
このような状況のもと、平成15年度の本市の財政につきましては、景気の低迷による企業収益や個人所得の減少、固定資産評価額の見直しなどによって市税がさらに減収になると見込まれるほか、地方交付税の交付総額も地方財政制度の改革等により三年連続で減少することから、これらの一般財源は前年度を大幅に下回る非常に厳しい局面を迎えております。
従いまして、平成15年度相馬市一般会計当初予算の編成については、歳入面で、市税及び地方交付税は現時点での見込額を全額計上し、縮減傾向にある国県補助事業の積極的な運用に努めるとともに、地方財政対策の一つである臨時財政対策債などの市債の活用を図り、さらに不足する財源は財政調整基金等を取り崩すなど、財源の確保に苦慮したところであります。
歳出面では、歳入の厳しい状況や、公債費および扶助費等の義務的経費が増加する中で、新たな施策に伴う経費の捻出は困難なことから、物件費、補助金及び普通建設事業は前年度当初予算の90パーセント以内、維持補修費は同じく95パーセント以内の予算要求枠を設定し、さらに相馬市総合計画の実施計画に掲げられている事業であっても見直しを行わざるを得ない状況となっております。
こうした本市を取り巻く厳しい財政状況は来年度以降も続くものと思われることから、第二次相馬市行財政改革大綱に基づく実施計画を確実に遂行し、執行する職務に関しては常に費用対効果を意識しながら創意と工夫による的確な遂行に努め、全職員が一丸となって住民福祉の向上に努める決意を新たにしたところであります。
特に財政面で本年度行える最大限の工夫と努力を致しており、具体的には、
・市単独補助金の整理合理化を検討・推進すること。
・市が補助金等を交付している第3セクター及び一部事務組合の経営健全化の促進を図ること。
・職員数の適正化計画の見直し及び人事評価システムの導入などにより定員管理の適正化を推進すること。
・税等の収納率向上や遊休市有地の処分などにより自主財源を確保すること。
・昨年4月から5パーセント削減している市長以下4役の給与並びに職員の管理職手当については、平成15年4月から市長の給与を20パーセント削減し、助役・収入役・教育長の給与並びに職員の管理職手当を10パーセント削減すること。
さらに市長交際費を四割減額いたしました。
このような方針のもとで編成しました平成15年度相馬市一般会計予算案の総額は、12,
978,000千円で、前年度当初予算と比較して3.8パーセントの減となった次第であります。
主なる重点事業を申し上げますと、ソフト面ではISO14001取得事業、大野小学校放課後児童クラブ運営事業、ふるさと相馬ブランド化推進事業、青少年体験活動ボランティア推進事業、うつくしまボランティア事業、音楽の郷づくり推進事業、芸術文化奨励事業、財務会計システム導入事業などの一方、ハード面では、継続事業である向陽中学校校舎改築事業、道の駅整備事業、地域戦略プラン道路整備事業、地方特定道路整備事業、市道新設改良事業、黒橋(新沼地内)撤去事業、公共下水道事業、農業集落排水事業などについて措置したところであります。

以上、本市の新年度当初予算の編成作業は、昨年にも増して厳しいものでありましたが、私は、こうした財政状況に関する情報を市民のみな様と共有することにより、その認識をさらに深めていただくことが大変重要であると考えております。そして、市政の進むべき目標となる第三次相馬市総合計画の実現のために、職員はもとより相馬市民が一体となってこの困難な局面を打開する努力をしながら、予算の執行に努めて参ります。

続いて、福祉行政について申し上げます。
介護保険事業につきましては、平成12年4月のスタートから早3年が経過し、当初事業計画に基づく要介護認定事務をはじめとする各種介護サービスの提供運営など、関係機関団体等の御支援、御協力のもとで概ね順調に推移し、その計画期間を終えようとしております。第2期目の介護保険事業計画の策定見直しにつきましては、昨年4月から介護保険事業計画等策定委員会を設置し、第2期高齢者保健福祉計画の策定を含めて一体的に活発な議論を頂き、去る2月7日の第4回委員会において計画の原案が完成したところです。そして、介護保険運営審議会において慎重に御審議を賜り、2月21日に御承認をいただきましたので、近く議員各位にも本計画書を配布したいと考えております。
平成15年から5年間にわたる高齢者保健福祉施策につきましては、今般策定されました第2期高齢者保健福祉計画を基本とした介護予防、生活支援事業などの諸施策を展開し、高齢者の保健福祉増進に努めて参りたいと存じますが、特に、高齢者の社会参加の促進と自立生活の助長を図ることを目的とした「高齢者の生きがいと健康づくり推進事業」につきましては、これまでの老人憩いの家に加え、平成15年度から新たに総合福祉センターにおいても実施したいと考えており、通所が可能な高齢者に対するサービス提供の機会を増やして参りたいと考えております。
また、介護保険のサービス提供でありますが、第2期相馬市介護保険事業計画に基づいて介護老人福祉施設の増床や訪問介護、グループホームなど、居宅介護サービス基盤の整備に鋭意努めて参りたいと考えております。
次に、障害者福祉サービスについて申し上げます。
社会福祉基礎構造改革の一環として障害者の立場に立った新たな制度を構築するため、これまでの行政がサービスの受け手を特定し、サービス内容を決定していた「措置制度」を改め、障害者自らがサービスを選択し、契約によるサービスを利用する「支援費制度」が新年度から導入されることになりました。
既に、昨年の12月から受付を開始し、2月末現在の施設訓練等支援費支給申請が88件、居宅生活支援費支給申請が8件提出されており、今後は聞き取り調査をもとに支援費の支給決定を行い、3月中に利用者の受給者証を交付したいと考えております。今後、増大又は多様化が見込まれる障害者の福祉ニーズへのさらなる取り組みが期待されており、円滑な制度導入に努めて参る所存であります。

次に、児童福祉行政について申し上げます。
少子高齢社会の到来による人口動態の変化、さらには都市化にともなう地域連携の希薄化が叫ばれている一方、共働き家庭や核家族化の増加など、子供たちを取り巻く環境が大きく変化してきており、社会全体で支え合う体制づくりが強く求められております。
平成13年度に実施した「子育てサービス利用状況意向調査」によりますと、晩婚化や子育てへの経済的負担感、ライフスタイルの変化などにより、理想とする子どもの数を持てない夫婦が増える状況にあり、今後の社会生活にも大きな影響を及ぼしていくものと思われます。そこで、市民と地域、行政が一体となって取り組むべき子育て支援の中長期的な方向と具体的な方策を示した「相馬市児童育成計画・そうま子どもプラン21」を策定し、将来を担う子どもたちがのびのびと健やかに成長することのできる環境づくりに向け、鋭意努力して参りたいと考えており、現在、各施策について最終の取りまとめ作業と調整を進めているところであります。
一方、放課後児童健全育成事業として、昨年4月に市内4箇所目となる飯豊幼稚園の園舎を利用した放課後児童クラブを開設しており、新たに新年度から大野小学校の余裕教室を活用した放課後児童クラブを開設すべく、準備を進めているところであります。各地域における本クラブに対する期待が大きいことから、今回の開設によって5箇所目を数えることになり、さらに放課後児童健全育成の充実に努めて参りたいと考えております。

続いて、企業誘致関係について、申し上げます。
昨今の企業誘致を取り巻く環境は、深刻かつ長期化するデフレ不況にあって、生産施設は海外に移転せざるを得ない傾向にあるなど、誠に厳しいものがあり、当市の中核工業団地の企業立地数もここ数年変わらぬまま推移いたしております。
こうした中にあって、去る2月13日に相馬中核工業団地企業誘致促進協議会、地域振興整備公団並びに相馬市の共催により「相馬中核工業団地視察会」を開催し、関東方面から7社の御参加をいただきました。そして、相馬中核工業団地や重要港湾相馬港への視察を行って優れた立地環境を御紹介申し上げ、当工業団地への進出を強くお願い申し上げたところであります。引き続き、地域振興整備公団並びに福島県と常に連携を図りながら、これらの企業との強い信頼関係を構築し、積極的な誘致活動を展開して参りたいと考えております。
なお、先の12月議会で御報告申し上げました石川島播磨重工業相馬工場の増設工事についてでありますが、来る3月20日に盛大に竣工式が挙行される御案内をいただいたところであり、相馬工場がキャッチフレーズに掲げる「相馬から世界へ」の実現に向けて、同社のさらなる飛躍を期待するものであります。

続いて、重要港湾相馬港について申し上げます。
昭和49年4月に重要港湾に指定されて以来、今日までに1号ふ頭に公共ふ頭8バース、2号ふ頭に公共ふ頭4バース、5号ふ頭に石炭専用ふ頭3バースの合計15バースが供用開始され、さらに昨年5月に自走式多目的クレーンの配備による多目的国際ターミナル機能が強化されるなど、着実な進展を遂げて参りました。
平成14年度を最終年度とする第九次港湾整備7ヵ年計画による整備状況につきましては、3号ふ頭で3万トンバースと1万トンコンテナバース各々1バースが建設中で、その進捗状況は38パーセントとなっており、沖防波堤の全長2,730メートルは95パーセントの進捗状況でありますので、新たなる事業計画での早期完成に向けて関係機関に要望して参りたいと考えております。
なお、平成14年における相馬港の取り扱い貨物量は5,552,453トンで、昨年度より微増ながらも増加しており、5号ふ頭を除いた公共ふ頭においては初めてその取扱量が100万トンを超えたところであります。今後も、相双地方、県北地方及び宮城・山形両県南部地域を含めた広域的な物資流通の拠点港として積極的にポートセールスを実施し、外貿コンテナ航路の開設を目指すなど、一層の利活用が図られるよう努力して参りたいと考えております。

次に、道の駅「そうま」の事業について申し上げます。
相馬市が施工する物産館につきましては、今月末の完成を目指して急ピッチで工事が進められており、完成後は速やかに出店準備に入り、ゴールデンウィーク前のオープンを予定しております。
当初は、「物産館」及び国土交通省分の「トイレ・休憩・情報案内施設」の管理運営を、「相馬市振興公社」に委託したいと考えておりましたが、これを「相馬商工会議所」に変更することで内諾をいただき、現在諸手続きを進めております。
また、オープンに向けて道の駅「そうま」が広く認識され、親しみを持っていただくために先月末まで愛称を募集したところであり、市内外から、171通の応募をいただきました。今後は、応募作品を整理のうえ関係機関団体と十分に検討し、よりふさわしい愛称を決定したいと考えております。
一方、道の駅「体験館」につきましては、平成15年度に着工いたしたく新年度予算案に計上しており、ドライバーと地域のふれあいを通して地域文化の紹介や郷土料理の体験実習が行われ、さらに地域のコミュニティーの場となるなど、多目的に利活用できる施設を目指して参りたいと考えております。

続いて、市制施行50周年記念行事関係について申し上げます。
本市は、昭和29年3月31日に中村町、大野村、飯豊村、八幡村、山上村、玉野村、日立木村、磯部村の1町7ヶ村の合併によって市制を施行して以来、平成16年3月で満50周年を迎えることとなります。つきましては、平成15年度から2ヶ年にわたる市制施行50周年記念式典と記念イベント、諸行事等を実施し、本市を全国に広くPRしながら全市民とともに節目の年を祝いたいと考えております。
このため平成15年度においては、これらの関連行事等を企画運営するための機関として、市内関係団体等の参加をいただき「相馬市市制施行50周年記念行事実行委員会」を設置し、準備を進めて参りたいと考えておりますので、御支援の程よろしくお願いを申し上げます。

続いて、路線バスについて申し上げます。
現在、相馬市関係のバス路線は15路線ありますが、これらの路線を維持するために毎年約4,000万円の補助を行っており、昨今の厳しい財政状況の中にあって大きな負担となって参りました。このことから、先月から今後の路線バスのあり方を検討するために庁内検討会を設置したところであり、新たな運行形態の導入に向けた作業を開始いたしました。今後は、市民の代表のみな様にも検討会に参加いただき、より良い生活交通システムの構築を目指して参りたいと考えておりますので、御報告申し上げます。

続いて、農林水産業関係について申し上げます。
昨年12月3日、米政策の大転換を方向付ける「米政策改革大綱」が発表され、需給調整や流通制度、経営安定、水田農業対策など関連施策の見直しがなされ、平成22年度までに「農業構造の展望と米づくりの本来あるべき姿」を実現しようとする方向性が打ち出されたところであります。そして平成15年度を準備期間に位置付け、平成16年度から当面の需給調整のあり方に取り組むとのことでありますが、農村現場を取り巻く環境については、今だに不透明であると言わざるを得ません。
そうした中で、本市への平成15年度転作目標面積は、昨年より約62ヘクタール多い1,063ヘクタールの配分がなされ、転作率は昨年度を2パーセント上回る過去最大の34.5パーセントに達するなど、本市として農業生産者が意欲と誇りを持って農業に専念できる諸施策の具現化に向け、関係機関とともにこれらの動きを注意深く見守っていきたいと考えております。
次に、相馬の特産物の販路拡大策について申し上げます。
昨年9月に「ふるさと相馬ブランド化推進協議会」を設置し、「食」を中心とする特産品のPRをしながら「ふるさと相馬」の知名度を上げ、産業の活性化を図る研究を重ねてきたところであり、去る2月7日には、バーチャルモール「産地直送美味いもん相馬本家」と市のホームページをリンクさせた同協 議会のホームページが運用開始いたしておりますので、御報告申し上げます。
特産品の販路拡大はもとより、「食情報」「観光情報」なども同時に発信されることから、本市への観光誘客の上乗せも期待できると考えており、さらに全国各地のイベントに出向いて魚介類の調理実演出張サービス等を実施するなど、優れた「食」を前面に掲げて「ふるさと相馬」の良質性を広く売り込みながら、相馬ブランドの確立を図って参る所存であります。
次に、磯部地区の農業集落排水事業につきましては、芹谷地地区から大浜地区を結ぶ幹線管渠の完成により、平成15年度中に242世帯で集落排水施設が使用できることになり、供用率も約60パーセントになる予定ですので、御報告申し上げます。
次に、森林整備のための育成支援活動について申し上げます。
相馬市は、美しい海と山に囲まれ、万葉の時代から小松島と称された県立自然公園松川浦を擁するなど、これをいつまでも後世に残していくことは、現代に生きる我々の責務であります。
松川浦に注ぐ河川などは豊かな阿武隈山系の水の流れによって育まれ、その上流の森は汚染のない美しい自然環境を守っております。しかしながら、近年は林業従事者が減少し、本来の山の美しさを保つことが困難となっており、このことは、美しい自然環境を後世に残さなければならない我々にとって、喫緊の課題となっております。
そこで、市民ボランティアによる植林や森林の手入れ等の活動を通して、美しい自然の保全に寄与させるとともに、21世紀を担う若い世代にも森のすばらしさ、海の恵み、環境を守り育てる大切さを体験させるなど、将来に向けて、様々な形でその活動の輪を広げて参りたいと考えております。
今後、海岸部の若い人たちと中山間部の方々とを主体としたNPOを組織し、木々の生長とともに長く継続できる体制づくりに努めて参る所存であります。

続いて商工労政行政について申し上げます。
市内商工業を取り巻く環境は、先行き不透明な景気動向に加え、高い失業率、将来の生活・雇用に対する不安から個人消費の低迷が依然として続いており、さらに卸売物価の下落や企業マインドを冷え込ませる悪循環の中で金融機関の不良債権処理に伴う厳しい融資状況にあるなど、極めて憂慮すべき事態となっております。
市といたしましても、引き続き低利融資のための預託金預け入れ、制度資金の融資と信用保証料の補助を実施するとともに、新たな中心市街地活性化のための基本計画を策定することとし、商工業の振興、活性化につなげて参りたいと考えております。
雇用情勢につきましては、今春の市内高校卒業予定者の就職内定率が昨年12月現在65.6%で、一昨年同期の70.6%を大きく下回る一方、相馬管内の有効求人倍率も0.42%と大変厳しい状況にあります。引き続き相馬公共職業安定所雇用対策推進協議会並び各関係機関との連携を密にしながら、雇用情報の収集、周知に努め、さらには、新たな雇用と就業機会の創出を図るための施策といたしまして、福島県等で実施されている関連事業などを積極的に活用しながら、対応して参りたいと考えております。

続いて、観光行政について申し上げます。
先般、「平成15年ふるさとの行事」が決定されましたので、観光協会をはじめ、各関係機関団体と一体となった取組みを行いながら、四季を通した通年滞在型観光に結びつく観光資源の開発並びに市のホームページを利用したPRなども積極的に進めて参りたいと考えております。
さて1月26日に、相馬に春の到来を告げる和田観光イチゴ園が開園され、多くの観光客が大粒の甘い旬のイチゴの味を堪能されております。また、2月8日から2日間にわたり水産物直売センターで「海の味まつり」が開催されており、カニ汁食べ放題やカニ飯の販売など、相馬のカニを生かしたイベントが実施されておりますので、御報告申し上げます。

続いて、道路整備関係について申し上げます。
地域の生活基盤の確保と市民生活を支える基礎的な施設である道路につきましては、これまで重点事業と位置付けて整備促進に努めてきたところでありますが、市民の道路整備に対する要望は極めて強いものがあり、新年度においても、国庫補助事業や地方特定道路整備事業を活用し、計画的な幹線道路網の整備に努め、さらに限られた予算の範囲内において、市単独事業による道路改良舗装を進めて参りたいと考えております。
国・県等において進められている道路事業について御説明いたしますと、一般国道6号相馬バイパス整備事業は、県道原町海老相馬線から県道相馬亘理線までの間において、道路改良工事、宇多川の橋梁上部・下部工事、小泉川の橋梁下部工事等が現在施行中となっており、また、平成15年度におきましては、国道6号から県道原町海老相馬線の用地買収が本格化するなど、国土交通省磐城国道工事事務所管内の重点配分路線として、その進捗は順調に進展いたしております。
一方、県において進められている主要地方道相馬亘理線尾浜地内の歩道整備については、平成14年度より工事が着手されたところであり、今後も早期完成を目指し要望して参りたいと存じます。
なお、都市計画道路新町北町線・全線延長552メートルの残事業として施行して参りました延長212メートルの改良舗装工事が、このほど完了見込みとなり、4月上旬に全線開通の式典を挙行したいと考えておりますので、御報告申し上げます。

続いて、河川改修事業について申し上げます。
現在、宇多川、地蔵川、梅川を広域並びに統合河川改修事業として福島県において施工中であり、特に、宇多川改修事業は、平成13年度より床上浸水対策特別緊急事業の採択をいただき、平成14年度から宇多川橋の架け替え工事が着手されております。平成17年度の完成予定まで大変御迷惑をおかけいたすことになりますが、交通量が多い路線でもあり、その安全対策について万全を期すようお願い申し上げたところであります。

続いて、角田公園内におけるテニスコートの整備につきましては、経済産業省の産業再配置促進補助事業の採択をいただき、鋭意施行してきており、3月中の完成をもって4月上旬にはオープンできる運びとなりました。新年度におきましては、管理棟1棟の建築と公園内の植栽工事を行うことになっており、逐次、整備を進めて参りたいと考えております。

続いて、市営住宅黒木田団地の建替え事業につきましては、当初より3棟の住宅団地を建設する計画で実施してきており、本年3月をもって最後の3棟目が竣工できる運びとなりました。当該団地3棟全体で48戸の入居が可能となり、新年度は、団地内の良好な居住環境を形成するために児童遊園や駐車場の整備を行いたいと考えております。

続いて、公共下水道事業について申し上げます。
健康で快適な生活環境づくりのため欠くことのできない重要施策として鋭意取り組んできており、今年度末までに事業認可面積1,338ヘクタールのうち718ヘクタールの整備が終了し、普及率は約52%になる見込みであります。新年度は、程田、塚部、石上地区の幹線管渠の延伸と宇多川右岸の中野、南飯渕、岩子及び西山地区における面整備の拡大を目指すとともに、雨水対策事業といたしましては、原釜字北谷地地区に排水路の整備を予定しているところです。
また、新年度におきまして、相馬市公共下水道事業計画の認可変更を予定しております。これまでの事業計画は、平成7年度末に変更の認可を受けたもので、当時の想定人口と現状人口に大きな差異が生じており、上位計画である全県域下水道化構想や第三次相馬市総合計画の将来計画人口、さらには農業集落排水事業並びに合併処理浄化槽の状況との整合性を図って参りたいと考えております。

続いて、生活環境行政について申し上げます。
燃えるごみの収集日につきましては、昨年9月から、祝日並びに振替休日にあたる日も収集することとし、加えて年末年始にも計4日間の収集を行うなど、市民ニーズに対応したサービスの向上に努めているところです。いずれも市民のみな様には大変好評ですので、今後も継続して参りますが、さらなる分別の徹底、ごみの減量化並びにリサイクルの推進を図るため、研究検討を重ねて参りたいと考えております。

続いて、教育行政について申し上げます。
次代を担う子どもたちがたくましく心豊かに成長することは、21世紀を確固たるものとするための基本であると認識いたしております。そして、我が相馬市が活力ある都市として発展し、「創造的な活力あふれる交流・循環都市」を目指していくためには、あらゆる社会システムの基盤となる教育について、学校、家庭、地域社会がそれぞれの役割を果たしつつ、手を携えて改革を進めていくことが不可欠であると考えるものであります。
本市では、「生涯を通じて社会に貢献する人材の育成」を目指した教育プログラムを策定し、具体的な課題やスケジュールを明らかにしつつその推進に努めてきており、近年の教育行政が一段と厳しい状況下にあって、改めて「教育・文化の充実と人づくり」を課題に議論を重ねつつ、教育改革推進のために最大限の努力を払って参りたいと考えております。
さて、学校教育につきましては、21世紀教育のあるべき姿を求めた教育改革が進行する中、完全学校週5日制のもとで新学習指導要領の実施がなされ、確かな学力の向上、豊かな心の育成、開かれた学校づくりや特色ある学校づくりの一層の推進など、子どもたちに新世紀をたくましく生き抜く力を育成するための様々な努力がなされております。
特に「学力の低下」については、市民からも高い関心が寄せられており、「楽しい授業、意欲の高揚」を合い言葉に掲げて「授業の質的改善」と「教員の資質の向上」こそが学力向上の第一歩であると考え、各学校や研修会等で機会ある度に指導して参りました。各学校においては、「基礎学力の向上」を最重要課題として取り上げ、個に応じた指導や児童生徒の習熟度の程度に応じた学習を工夫するなど、子どもたち一人一人の才能を伸ばし、生きる力を育むことができるよう努めているところであります。
平成15年度におきましては、「学力向上フロンティア宣言」のもとで中学校を核とした5つの学力推進地区を設置することとし、「地域ぐるみ」を合言葉に地域の実情に応じた小・中学生の一貫指導体制づくりを支援して参りたいと考えております。そして、地区内小・中学生の交流が深まることにより、さらに地域性豊かな教育活動への展開発展ができますよう、大いに期待いたすものであります。
ここで、2か年継続事業で取り組んでおります向陽中学校の校舎改築について申し上げます。
本年7月上旬の完成に向けて鋭意努力いたしており、その進捗率は、2月末日現在で建築主体工事が、54パーセント、電気設備工事が、34パーセント、機械設備工事が、37パーセントとなっております。なお、暖房設備について維持管理経費等を含めた比較検討を行った結果、電気式蓄熱暖房設備から灯油式FF暖房設備に変更することとし、電気設備工事については工事費の減額を、機械設備については工事費増額の変更契約を行うなど、全体経費の減額に努めたところでありますので御報告いたします。

次に生涯学習について申し上げます。
近年、市民の生涯学習に対する関心は非常に高く、自己の充実や生活の向上を図るための学習ニーズが年々増える傾向にあります。そして、多種多様な学習機会を選択できる学習環境を整え、「いつでも、どこでも、なんでも学習できる社会」、いわゆる生涯学習社会を構築する基盤整備が強く求められております。
そのため、引き続き「生涯学習だより」や「生涯学習ガイドブック」を発行し、「相馬市まちづくり出前講座」などを実施するとともに、生涯学習推進体制の強化を図るために「生涯学習ボランティア」の活動を促進したいと考えております。
昨今は、自分のできることで、他人や地域のために役立つボランティア活動を行い、地域社会に貢献しようとする生き方を望む方が多くなっており、こうした市民ボランティア活動を推進しながら市民参加のまちづくりを促進させるため、本年2月から生涯学習ボランティアの募集を行っており、これまで、32名の申し込みをいただいております。
具体的な募集範囲といたしましては、学校支援ボランティア、学校週末ボランティア、図書館ボランティア、スポーツボランティア、文化財ボランティア、芸術文化振興ボランティア、公民館ボランティアの7分野となっており、今後のまちづくりのための力強い担い手として御活躍いただけるものと確信しております。今後も随時募集を行って参りますが、本活動を通して生きがいを共有し合うことのできる施策となるよう積極的な参加をお願いして参りたいと考えております。
また、青少年を対象とした新規事業としましては、青少年の体験活動・ボランティア活動を総合的に推進するために「支援センター」を設置することとし、学校内外での奉仕・体験活動を通して、実社会に貢献する喜びを分かち合える施策を展開して参りたいと存じます。
一方、「福祉と文化の都市そうま」の建設という観点から、市民の芸術文化の振興育成を図り、芸術文化活動の成果発表等に関する事業等を支援して参りたいと考えております。併せて、音楽を学ぶ学生や演奏の場を持たない若手音楽家によるコンサートを市内各地で開催し、市民生活の中に日常的に音楽の響く街づくりを目指して参ります。
文化財保存事業関係につきましては、相馬の歴史のシンボルである中村城跡の保存について、長期的なビジョンに立って県の指導を仰ぎながら積極的に進めることとし、特に緊急を要するお馬屋周辺の土塁の崩落を防止するため、土塁上の樹木の伐採も含めて抜本的な保存の対策を講じて参る所存であります。また、車の出入りによる衝撃等でゆがんだ大手門の補修工事を行い、城跡唯一の建造物を大事に守って参りたいと考えております。
なお、このたび発行しました「相馬市文化財ガイドブック」につきましては、相馬市指定の文化財の名称や所在地、さらには文化財の概要や写真、案内図が付いた文化財探訪の案内書で、文化財保護意識の高揚をはじめ、青少年の体験活動にも大いに役立つものと考えておりますので、是非、御活用いただきたいと存じます。
次に、女性行政について申し上げます。
男女共同参画社会の形成促進のための基本計画となる「そうま男女共生プラン21」を昨年末に発刊いたしました。このプランは、男女がともに個性と能力を最大限に生かすことのできる活力ある社会づくりを目指し「男女平等・人権尊重の意識づくり」「意思決定過程における男女共同参画の拡大」「労働の分野における社会環境の整備」「穏やかな暮らしと福祉の向上」「国際化への対応」の5つの目標を掲げております。今後は、あらゆる分野に男女共同参画の視点を反映させながら各種事業を展開し、このプランの推進に市の総力をあげて取組んで参りたいと考えております。

また、生涯学習課内にあります「体育振興室」を、4月から課に昇格させて「スポーツ振興課」といたしたく、今後は、総合的なスポーツの振興を図りながら、市内スポーツ施設の適切な管理運営に努めて参る所存でありますので、御報告申し上げます。

以上、新年度に向けた所信の一端並びに諸般の情勢等について申し上げましたが、これらが推進にあたりましては、全職員が一丸となって市民の創意と英知を結集し、個性あふれる豊かな地域社会の建設に取り組んで参りますので、市議会をはじめ、市民みな様方の御支援・御協力を心からお願い申し上げます。

 

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