市長エッセー

今年の相馬市はハード・ソフトが盛りだくさん

2011/01/07

2月に大手門前で改築中の近代風木造校舎、中村一小が完成する。
だいぶ出来てきて、すでに瓦葺きの切妻の屋根が道路から見えるようになってきた。大手門を手前から見ると右手にお堀、左手に木造の小学校は、野馬追いの総大将出陣の光景に相応しいに違いない。落成式には関係者一同、紋つき袴で趣向を凝らしたい。

3月には待望のパークゴルフ場の増設工事が完了し、光陽地区だけで9面の、全国有数規模の中高年向け大型運動施設となる。緑の芝の上を、楽しみながらしかも膝に負担をかけずに、緩やかな運動負荷で出来る健康作りを県内外にアピールして、特に関東地方から多くのお客さんを集めたい。NPOで運営しているが、スタッフの協力も得て、福島県北地方の温泉郡とも連携しながら、健康作り観光を目指したい。

また同時期、光陽地区の道路を隔てた石炭灰埋立地に11ヘクタールのサッカー場が完成する。
こちらは相馬市内外のサッカーチームに、できるだけ安い料金で、大会や練習の機会を提供する目的で造成を始めたが、メインコート1面を1時間1000円、サブコートの3面は500円の使用料で使えるようにした。ナイターなどの贅沢な設備は勿論ないが、学生さんなどのアマチュアチームに合宿や大会で使ってもらえるなら嬉しい。宿泊地としては松川地区や岩子地区の旅館群が控えているので、サッカーで賑わってもらいたい。こちらもサッカー愛好者で設立したNPOが管理運営にあたる予定だが、芝の管理ばかりでなく、大会の招致や宿泊の手配など、民間ならではの知恵を期待している。「行政の市民化」の好例となってもらいたいと思っているが、サッカー好きの人たちに創意工夫を凝らしてもらうことが成果につながるはずだ。

4月には中村開府400年祭を行う予定。
1611年、伊達藩の来襲に備えるため藩領北端の中村に本拠地を移し、城を構えてから今年はちょうど400年にあたるので、歴史を回顧し、400年の間お城を守ってきた誇りを市民の皆さんが自覚する祭典としたい。戦国末期、相馬の歴史上最高の傑物と言われる16代相馬義胤公と、血みどろの戦をしたのが奥州の英雄伊達正宗。お互い譲らず結局ドローとなって江戸時代を迎えるのだが、義胤公は備えを怠らず、中村城に本拠地を移して背水の陣を敷いた。「備える」ことが相馬藩の国是となったのだ。
しかしながら、爾来、この地の歴史は決して平穏なものではなく、天明期(18世紀末)には飢饉で人口を最盛期の3分の1にまで減らすという塗炭の苦しみを味わった。その危機を乗り越えて、19世紀中期には二宮尊徳一門による報徳仕法を実践し復興を遂げる。
お城を守ってきた400年を通して住民は謹厳実直だった。その気質は現代においても変わらないと私は思っている。報徳の教えのなかでも特筆すべきは、「分度」と「勤労」だろう。昭和元禄以来、「分度」をわきまえず、夢ばかり追いかける世相が、この国の無責任な政治の根源だと思う。したがって400年祭のテーマは、温故知新と郷土の歴史へのプライド。

また400年祭の当日、新しい市民会館の縄張り杭を打つことにしている。
木造の中村一小のことは前述したが、新市民会館もお城に隣接することから、和風様式の大屋根を瓦で葺きたいと考えている。江戸時代早期に焼失して図面も残っていない天守閣を、観光目的で模造する気はさらさら無いので、できれば新市民会館はお城の情景を連想させるような建物にしたい。市民アンケートでも和風という希望が一番多かった結果には、さすが相馬市民だと感服した。よって市民会館の改築を400年記念事業として、当日は杭打ち式を行う。

最後に高速道路。
予定通り上手くいけば常磐道の相馬延伸が12月。遅くとも来年早々には高速道路のネットワークに組み入れられることになるが、相馬にとっては悲願だった。高速道路によるストロー効果で地域が衰退しないようにと、パークゴルフ場をはじめとしたスポーツ観光施設整備に力を入れてきたのだが、もともと救急医療や企業誘致の上での効果は絶大である。小泉元首相が高速道路民営化と、B/Cの低い新規路線の建設凍結を言い出した時には気持ちが折れそうになったことを、昨日のように思い出す。相馬インター到達の時期はちょうど市長就任まる10年目にあたるが、万感の思いを込めてこの一大イベントを祝いたい。

以上、年頭のメルマガなので楽しい話ばかり書いたが、内容はすべて一年前の市長選挙マニフェストでお約束したこと。相馬市の財政シミュレーションの許す範囲で進めてきた事業である。ところが再来年となると、消費税の動向如何によっては地方交付税の先行きが全く不安だ。だから今年やらなければならないもう一つの仕事として、崖っぷちに立たされている消費税増税の判断を、地方首長の仲間たちと一緒に、積極的に声に出していくことも必要だと思っている。

 

前のページへ戻る

ホーム > 市長室 > 市長エッセー集 > 市長エッセー