市長エッセー

脇役の輝き

2003/08/29

残念というか、やっぱりというか、真紅の大優勝旗が白河の関を越えることはなかったが、今年の夏は毎日がドキドキだった。しかし残念ながら、決勝戦の7回裏ツーアウト満塁、「抜けた!」と思った2年生4番横田君の痛烈な打球が、相手のショートのグラブに吸い込まれた瞬間、勝負はついてしまった。東北に優勝旗がこないというジンクスを破れない流れが、出来上がってしまったのである。
新聞無印の東北高校が予想外に決勝戦まで進んだのもひとつの流れだとしたら、この流れを作ったのはメガネをかけた5番手ピッチャー背番号18真壁君。

ダルビッシュの149キロ速球は超高校級。プロも注目のスターだ。
しかし所詮高校生、しかもまだ2年生。勝ち進む体力もなければ一人でペースを作る技術がある訳でもない。彼を救い、快進撃の流れを作ったのはやはり2年生の裏方ピッチャーの真壁君だった。決して先頭に立って自分を押し出そうとしない。インタビューの答えがよかった。「自分ができるだけ多く投げてダルビッシュを休ませてやりたかった」。
チームプレーであり、直向さが胸を打つ高校野球で、真壁君の姿勢がとても清々しく思えたのである。彼の後方支援がなかったら豪腕ダルビッシュといえども準優勝はなかったろうし、運命の女神が彼らに微笑むこともなかったと思う。

組織にも言えることだが、リーダーの後ろで評価を欲しがらない職人肌のサブが、いぶし銀のような仕事をするところは強いものである。

さて、彼らはほとんど2年生。
来年こそはジンクスを破って悲願が叶うか!

 

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