市長エッセー

短い夏の夢

2003/08/15

ニュースは生理的に見てしまうのだが、何が好きかといえば夏の高校野球。

栃木県や茨城県は隣県なのにまるで他人事。
青森の光星学園のほうがよっぽど大事で、何とか私が生きてる間に、真紅の優勝旗が白河の関を越してくれないものかと、思えば同年の三沢高校の太田投手が決勝戦延長再試合で惜しくも敗れて以来、決勝戦まで勝ち上がったいわき高校のときも仙台育英高校のときも、涙を流して悔しがったのも、自分にはやはり蝦夷の血が流れているのだからと、妙に納得しながら、今年もふがいない東北のチームが甲子園から消え去るときに、短かったこの夏も終わってしまうのだろうと、毎年味わうあの虚脱感がひしひしと身に迫ってきて、それでも一縷の希を捨てきれず、ひょっとしたらダルビッシュの腰がよくなってくれないか、18番真壁君の137キロ内角ストレートが新聞無印の大穴にならないだろうかと、ほとんど妄想の世界だけれど、短い夏の切なさと東北球児の涙が重なって、蓋し人生もそんなものかも知れず、でもあの直向さと真摯さはきっと彼らの青春のうちで一番輝いている瞬間だから表現されるんだろうから、人生のひとコマひとコマを彼らのように全力で生きる努力はしなきゃいけないのだけれど、齢を重ねるうちに努力の上に知恵と狡さが絡み合い、だからこそ結果が出せなかった球児たちの涙が、今の私には原点に返るための清涼剤。

 

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