市長エッセー

雨ニモ負ケズ

2003/06/20

三位一体の改革という。
補助金、地方交付税の削減に対し、税収の地方と国の配分を変えることによって地方の財源確保を図るという取り組みのこと。私も県や市長会などが主催する決起大会に行ってきた。

しかし。
一年たったとは言え、まだ新米の市長として、これでわれわれ地方の財政状況がよくなるとはどうしても思えない。むしろ所得税全国プール制の、現行の地方交付税の分配システムを変えることによって、東京のひとり勝ちになるのではなかろうかと思う。

民間人として企業の経営に係わってきたものとして、どうしても行政の財務に対する考え方がなじめない。
普通は入ってくる以上の金は使わないものなのだが、起債という誠に便利で批判を浴びない方法。
はたして将来いるかどうかもわからない子供や孫たちも受益者になるのだから、負担を先送りしてもいいのだという、将来の世代が決して文句を言わないことを前提とした約束手形である。
これを使わないと自分の地域の将来設計もできないような、この国のしくみそのものに問題があったのではないか?
自分の身の丈を考えもせずに、ハードの整備こそが発展であり、住民の幸せであると思い込み、間違った地域間競争をしてきたのではないか?
地方に生きる幸せは、自分の家の水洗トイレが必ずしも公共下水道に繋がっていなくとも十分実感できるはずなのに。

いまわれわれ地方はこれから決して十分に入ってくるはずもない税収で、過剰に装備したツケを払っていかなければならない。そしてその過剰な装備の大半は、国の政策誘導として押し付けられてきたものなのである。

いま求められているのは、行政を担当する実に多くの公務員の、将来に対する危機意識であり、愛国心。

 

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