市長エッセー

俳句のすすめ

2003/02/14

子供のころ父が俳句をひねって、よく悦に入っていた。今から考えると俳句というのは脳内ホルモンを出す働きがあるらしい。紙と筆さえあれば事足りるのであるから、今流行の費用対効果を考えればまことに重宝なることこの上ない。

さてその父は今や75歳になるが、青年期から始めた俳句が彼の人生の日記がわりになっている。親を失った悲しみ、孫が誕生した喜びなどなど、その時々の出来事の記録に情感を織り込んで、若いころの感動を老年になってからも自分の中で共有できるのである。

私はというと、電子手帳。便利ではあるがいささか色気が無い。最近携帯電話に写真がついてその時々の情景をメモがわりに保存する時代が来るようだ。パソコンに取り込むことができれば、日記を兼ねたアルバムができて手軽でいいと思う。

しかしその時々の情感を記憶するという点で俳句にかなわない。とくに感動を残す言葉は、短いほうが強烈で、また味わいも深いだろう。
豊かな人生という意味でこれも父にはかなわない。

 

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