市長エッセー

成人式のスピーチ

2003/01/17

去年の市長就任が一月十九日だったから、私にとって初めての成人式を主催した。 荒れたら自分の言葉で話そう、穏やかだったら式辞を読もうと決めて演壇に。皆さん比較的静かだったので式辞を読み始めたが、読み進むうちにやはりこの若者たちに自分の言葉で、肉声で、前途を励まさなきゃいけないと、原稿を読んでいる自分が情けなくなってきた。

肉声で話そうにも今の日本、彼らの未来の何に頑張れと言ったらいいのか、この相馬の未来に彼らの夢をかなえるだけのものが果たしてあるのだろうか、私は自信をもって頑張れと言えるのだろうか。正直、式辞を読める雰囲気にほっとしたところがあったのである。

しかし会場の若者たちを見つめているうちに、私自身頑張らなきゃいけないと、胸の中にこみ上げるものがあり、事務局には申し訳ないけれど、つい原稿にないことを話し出してしまった。

この厳しい時代に二十歳を迎え社会的責任を負わなきゃならなくなった彼らに、君たちの洋々たる前途を祝福する、君たちにはこれだけの仲間がいるじゃないか、だから頑張れというのは、実は自分自身に対して言っていたのである。

 

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