市長エッセー

遥かな洲からのお便り

2016/06/30

先月、大阪府和泉市の小林様からお便りをいただいた。

便せんにボールペンで書かれた清楚な筆跡のお手紙を読み進むうちに、感動と哀悼の気持ちで胸がいっぱいになった私は、辻 和泉市長に御礼とご焼香のお願いの手紙を認めた。 数日して届いた辻市長からの便りには、私の手紙を読んですぐに小林家を訪問したがお留守で、名刺を置いてきたところ小林様から電話があったので相馬市長に代わってお礼を申し上げたと記されてあった。
辻さんが気持ちのわかる市長さんだったことが嬉しかった。

我々はこんなにも多くの方々に支えられて、この5年間を生き抜いて来たことを、改めて思い知らされた。
このような優しい方が暮らし、快活な市長を持つ和泉市はきっと素晴らしい街なのだと思う。 私も和泉市を訪れてみたい。そして地域としての交流をさせていただければ、○明さんのお気持ちに少しでも応えられると思う。

以下、小林様の許可を得て、お便りと私の返信をご紹介させていただきます。

小林様から私に

風薫る好季節を迎えました。
この度はわざわざ東日本大震災中間報告並びに相馬市五年間の記録をお送り戴き有り難うございます。
ご多忙のところ、毎回中間報告をお送り下さり、厚く御礼申し上げます。
テレビから信じ難い映像が流れたあの日、私共も被災地はこれからどうされるのだろうか?と見当のつかない思いに駆られたのを覚えております。
3月11日の凄まじい混乱から見事に復興されました「相馬市五年間の記録」を見せて頂き、この復興の陰にはどれ程の皆様のご努力がおありになったかと感動で涙が止まりませんでした。
息子の霊前に報告しながら、息子がどんなに喜んでいるだろうかと思いました。

実は、息子は一昨年、心臓麻痺で突然他界しました。
44才で働き盛りでもありました。

阪神大震災の時、学生ボランティアで1ヶ月学童保育に携わらせて頂いたこともありまして、特に子ども達のことを心配しておりました。
どうしても自分の目で確かめたくて、車に子ども達の喜びそうな漫画のお菓子を積んで行ったのを覚えております。
大したお役にもたてなかったと思いますのに、息子の名前を記して下さいまして、本当に有り難うございました。
その後も、和泉市社会福祉協議会を通して、行かせてもらっておりました。
今後、冊数も多いことと思いますし、息子の為にお手数をお掛けしては、と思いまして連絡させていただきました。
今の時代、息子は短すぎる人生でしたが、その間ほんの少しでも係らせていただきました事を深く感謝申し上げます。
皆様のご健康と相馬市の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

かしこ

2016年5月16日
故人 小林○明
母  小林○子

私から小林様へ返信

前略 御免下さいませ。御丁寧なお手紙を有り難うございます。
また、○明様の御逝去の件、心よりお悔やみ申し上げますと共に、御冥福をお祈り致します。
お陰様で相馬市は市民一丸となって復興に向かって進んでおりますが、被災直後から○明様のような方々の御支援のお陰様と思っております。
中間報告はこれからも御霊前にお送りさせて頂きます。
遥かな洲から相馬市の復興をお見守り頂けます様。
草々

 

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