市長エッセー

見廻り御用

2016/02/12

車の左右にマグネット式で張り付ける、ドア一枚分の大きさのステッカーの標語である。横には御用提灯のイラストも入れる。この車を学校の下校時間に合わせて一日トータル50台、地域を巡回してもらう。

最近増えてきている不審者に相馬の女性や子どもが襲われないように、60歳以上の市民のボランティアによる自衛団を組織して、相馬警察署のバックアップの下、それぞれの担当地域を15時から19時まで自家用車で走り回ってもらう計画を3月1日から実行する。
実行部隊である、市、地域の行政区長会、消防団、相馬警察署、防犯協会の有志からなる「相馬市地域見廻り協議会」が本日発足した。
参加する市民はすべてボランティアである。従って「無償の善意」を市民の安全のために発揮してもらうことになるのだが、ガソリン代と車の借り上げ賃は必要経費なのでお支払させてもらう。制服の替わりになるお揃いのベストはこちらで用意する。

今から市民有志にお願いして廻ろうと思うが、二日に一回、出動してもらうとして100人の登録が必要となる。相馬市が進める市民との協働による地域づくりの一環だが、しっかりと実現出来たら世代間の絆も深まるだろう。私も協力者を求めてお願いに歩かなくてはならない。

福島県には除染作業員が全国から集まり、その数は3万とも4万とも言われている。SPEEDIの通り道だった飯舘村や原発立地町村は除染作業が盛りである。相馬市の場合、地元業者で除染組合を結成し市内の作業員による事業がほぼ終了したので、線量の点からも不安を感じることは無いのだが、高線量の地域は膨大な事業量と向き合うことになるのだ。その作業員を全国から集めなければならないので、もちろん全員ではないのだが、中には問題の人たちも相当数いるらしい。昨年、二本松の宿舎から大阪に移動した作業員が殺人で逮捕されたことがあったが、作業員宿舎がある市町村の住民を震撼させた。

相馬市でも、下校途中の女子高校生がワゴン車の中に引きこまれそうになったことが新聞報道され、父兄たちを大いに心配させた。その他の噂も含めれば、女性たちは相当危険な状況に置かれていると考えなければならない。これは県内の多くの自治体が直面している問題なのだが、相馬市にも300人とか500人収容という除染作業員のための大規模宿舎が建設され、目の当たりにしている住民の不安が日増しに強まっている。 

先月末ある市民から、自分も地域見守りの活動を始めたいから市も一緒になってやってくれという、お手紙を戴いた。差出人にお会いして話を聞くうちに、どこまで除染すべきかなどと議論する以前に、今すぐにでも市が市民と立ち上がらなければと思った。「来年度の4月から」などと言っていられない状況なので、2月に入ってすぐに動き始め上記団体に声を掛けたところ、賛同していただき今日の協議会発足となった。震災被害を乗り切ってきた市民パワーでこの難局に対応したい。

 

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